こんにちは、臨床心理士・公認心理師のしあんです。
今回は、心理職への第一歩として心理系大学院への進学を実現させるまでのプロセスを解説していきます。
現役心理士の筆者が実体験をもとに紹介!
学力バカでも院は目指せる!(力説)
大学院進学までの過程で気になる章だけでも活用してみてくださいね。
こんな人におすすめ!
✓臨床心理士・公認心理師に興味がある人
✓心理系大学院への進学を考えている人
✓院試までに何をすればいいか分からない人
✓受験勉強のやり方やおすすめ参考書を知りたい人
✓研究計画書、論述、面接対策に困っている人
✓実際の面接内容を知って対策したい人
①受験の前に【情報収集編】
受験の前にまず、心理学とは何でしょう。
「心理学=人の心が読める?」と思っていると、勉強していくうちに「思ってたのと違う…」となりがちです。
改めて、心理学は科学的学問であることを理解しておきましょう。
心理学とはをなんとなく知ったうえで、さらに心理学を学びたい・心理職になりたいなど思った人は心理系大学院を目指しますが、就活とはわけが違うので情報収集は超重要。
受験前には以下3点を多少でも調べておくことが大事です。
・臨床心理士や公認心理師の資格について
・資格はどうしたら取れるのか
・受験には何が必要か など
「完全に理解する」ではなくて「ざっくりと理解する」でOK
今のうちに自分で調べる力も培っておきましょう。
検索力を制する者は受験を制するぞ
①情報収集編はざっくり分かっている人は②受験対策編をご覧ください。
臨床心理士・公認心理師についてと違い
臨床心理士・公認心理師はどちらも『心の専門家』で、医療・教育・産業・司法・福祉などの領域で人の悩みや相談をきき、その人がより良い方向へと進むためのお手伝いをします。
2つの資格内容は現場での体感としてあまり差はないと思いますが、臨床心理士は民間資格で更新制、公認心理師は国家資格で一度取得したら安泰という点では大きな違いがあります。
基本的にはどちらも「心理系の大学と大学院で指定科目を履修して修了」が資格試験受験の条件です。
臨床心理士指定大学院には指定第1種と指定第2種があります。
第1種は修了年の受験ができて、第2種は修了後決められた期間・時間の実習後に受験ができるので、進学を目指す人は指定第1種を目指しましょう!
指定大学院の修了が条件で、出身分野(学部・学科)は関係ない
大学で心理学に関する指定科目の履修と心理学部卒業+指定大学院での履修と修了が条件
資格試験に受験条件あるとかお高くとまりすぎじゃね?
地味に医者と同じ6年研鑽の道だよね~
詳しくはこちらの記事をご覧ください!
\ リアルな話も一緒にどうぞ /
院試日程
心理学や資格について知ると、臨床心理士も公認心理師も基本は心理系大学院を修了する必要があると分かります。
心理系大学院の院試は、高校や大学受験に多い春ではありません。
春だと思っていた人挙手。知れて良かったな!
大学院ごとに院試の日程は異なりますが、大体は秋または冬がメジャー。
院試日程を知らないと、受験したい大学院は決められないし、勉強スケジュールや試験対策も難しくなるため、大まかな日程は必ず把握しましょう!
院試日程は、各大学院のホームページから確認できます。
院試日程が被れば当然受験できないので、なんとなく受験を考えている大学院の日程は要チェックですよ!
大学院の選び方
心理職を目指すために、今度は受験校を決める必要があります。
大学院は高度専門教育機関と呼ばれますがその実態は、自分で考え自分で計画し、自分で勉強するところです。
臨床心理士や公認心理師を目指す場合は指定大学院であれば正直どこを選んでもOK(指定第1種の方が近道)。
\ 指定大学院の違い /
・興味のある専門分野の教授がいる
・大学院修了生の就職先や資格合格率などの実績
・通いやすさ(下宿可能な範囲か)
・学費(一般的に安いのは国立)
他にも過去問との相性の良さや学内の雰囲気を考慮してもいいと思います。
また、大学院に偏差値はないので、筆者のように学力に自信のない人でも気になるところを積極的に受験しましょう!
入試倍率が受験難易度の目安かな!
学力の時代は終わりだ…強気にいこうぜ!
ちなみに「大学卒業後に就職だるいし、もう2年学生するか~」というモラトリアムを過ごそうとする人も一定数いますがおすすめしません。
大学院は学びさえも自己責任なので、資格を取るためなど目的がない院生は中退や留年など困りやすいです。
筆者の体験談も含め、詳しい記事はこちら!
【番外】心理学部じゃなくても心理系大学院は目指せる?
心理系大学院は、心理学部じゃなくても進学可能です。
ただし、資格取得を考えて進学する場合は注意が必要になります。
臨床心理士であれば指定された心理系大学院の修了で受験可能ですが、公認心理師は大学で心理学を学ばないと受験資格はありません…。
他学部から心理学に興味を持った場合は、「自分が取りたい資格は何か」「心理学を学んでどうしたいか」をしっかり考えるようにしましょう。
自己理解のためなら他の民間資格でもアリだね
②受験に向けて【受験対策編】
心理系大学院を受験するなら、せめて1年は勉強期間を設けることをおすすめします(受験勉強以外にやることがあるのでもっと長くても可!)。
大学3年の秋くらいには受験の意志を固めておけると◎
受験校を各自でチェックすると大体の受験科目は以下の3つです。
受験前に出す願書では志望理由書を書く場合もありますし、願書と同時に事前に出す『研究計画書』も合否を分ける重要な書類です!
書類+勉強+面接の対策をしていきましょう!
ちなみに、院試と就活を並行すべきか悩む受験生も現れます。
個人的には、進学希望者は院試に集中する方が勉強しやすいと思いますが参考までに。
研究計画書
研究計画書は、出願の時点で願書や志望理由書などと一緒に提出する重要書類です。
「大学院へ進学後、こんな研究(修論)をするつもりです!」という意志を伝える書類で、A4で1~2枚分の分量がいります。
出願時に提出なので、受験勉強に一区切りをつけ大学4年生の夏には終わらせる必要があります。
自分の卒論の課題をテーマにすると計画書として書きやすく、面接でも受け答えしやすくなると思うのでおすすめな方法です。
提出した研究計画書は必ずコピーを取っておこう!面接で聞かれるよ!
・タイトル(&キーワード)
・問題と目的、仮説
・方法
・引用文献
基本的にはこれらが書けていれば構造としてはOK。
研究計画書は壮大で新しい内容を書けば評価されるというわけではありません。
・倫理的配慮があるか(被験者への配慮がどれだけなされているか)
どれだけ現実的かや丁寧に作りこまれているかの方が重要視されます。
具体例を載せた参考記事があるので是非ご覧ください!
専門科目(心理学)
心理学って義務教育で学んでこなかった科目なので、何をやればいいか分からない人が多いと思います。
まずは自分の勉強の軸(拠りどころ)を作ることがおすすめ!
心理学部関連の人は日々の講義を真面目に受けるもよし、心理学関連の気になる本・参考書を1冊読むもよし、予備校を検討するもよし。
実力試しに『心理学検定』を受検してみるのもありです。
\ 基礎固めに役立つ /
基礎心理学をまんべんなく勉強できるから大学2~3年時に受験してみるのもおすすめ!
専門科目の勉強自体は大学3年生の秋・冬頃からやれると、1年ほど猶予があります。
・本・参考書を読む
・ノート作りをする
・過去問を解く など
ちなみに筆者の軸となった参考書はこちら。
\ 当ブログで登場n回目 /
自分のやり方を信じて勉強し続ける気持ちが何より大事!
心理学の勉強についてはこちらをどうぞ。
専門科目(論述対策)
専門科目の試験は選択問題や単語を書く問題の他に、A4半分~A4以上の論述もよく出題されます。
論述試験は「~について説明しなさい」が基本。
考えを述べる系の問題であっても持論を好き勝手述べるのではなく、心理学的な知識に基づいたうえで考えを述べるようにしましょう!
筆記の際は3構造を守って丁寧に書けば、多少論点がずれていても得点を得られるはずです。
論述問題無視して「〇〇について分かることを以下に述べます」で攻めた筆者の珍回答(?)はしっかり得点得られたよ!
白紙<とにかく書くべし!
まとめる際は、以下の3構造を意識して書く練習をしておきましょう!
② 本論
③ 結論
論述は、専門用語の定義を書く練習をしておけばかなり鍛えられると思います。
以下の記事で詳しく解説しているので是非ご覧ください。
大きくきれいな字で書くのも超大事!
英語
心理系大学院の進学希望者が苦戦し、入試で差がつきやすいのが英語です。
大学院によっては英語で足切りもあります。
筆者の院はあったよ。。
心理系大学院の英語は今までの受験英語やTOEICとは違い、心理学に関連する内容で論文形式の特徴があります。
問題は全文和訳が多く、“読解力”がカギ。
如何に早く、如何に意訳して読めるかがポイントになるため、受験勉強中はなるべく英文読解をしましょう。
参考書や問題集使うよりも過去問解くのが一番おすすめ!
・心理学の専門用語や人名を覚える
・動詞を優先的に覚える(論文訳が望ましい)
☛上記2つで主語と述語はまず追えるようにする!
ちなみに辞書持ち出しOKな場合が多いですが、訳したい意味が載っていなかったり、単語調べで時間が無くなるため頼らない方が賢明です。
お守り推奨
英語対策も以下にあるので参考にどうぞ!
面接(口述試験)
心理系大学院の試験で筆記はもちろん大切ですが、面接(口述試験)では心の専門家として今後学んでいくための態度や素質を見られるため、一番重要な試験と言えます!
身だしなみと少しの笑顔で外見からの印象を良くすることはもちろん大切です。
聞かれた質問に端的に答え、やる気アピールはしっかりしましょう。
「分かりません」はNGワード。何か答えよう
下記の記事では筆者の実体験をもとに、心理系大学院の面接で聞かれた内容をすべて公開しています!
これから面接のある受験生は是非ご覧ください!
圧迫面接でも「やっていけます!」って意欲をフルで伝えることが大事!
勉強以外に大切なこともある!
「ここまで勉強のこと書いておいて勉強以外に大切なことって何だよ!」という声が聞こえてきそうです(笑)
勉強をするため、勉強を続けるために大切なこととしてこれらも大切です。
・院試の仲間作りをすること
・遊んだり息抜きする時間も作ること
大学院情報を見落として資料請求や出願のチャンスを逃したり、受験生より就活生の方が圧倒的に多いため周りに流されやすかったり、勉強し続けなければが重荷になって受験を諦めることになったり…。
どれも筆者の身の回りで起きた実話です。
情報収集もメンタルの安定も超重要
院試って就活みたいに「合説があるから参加しましょう」とか周りが情報を広めてくれることは基本なく、自分で調べて自己管理していくことが本当に重要です。
\ 読んで損なし /
あくまで筆者が見てきた限りですが、心理士を目指す人たちはとても真面目(すぎて悩んじゃう)な人が多いです。
メンタル安定のためにも勉強の息抜きもしっかり計画しましょうね。
筆者的には日々の通学時間で仮眠とったり、友人と喋ったり、Amazon Music Unlimitedなどで好きな音楽聴くのがかなーり息抜きになったので参考に~。
どんな経験も臨床に活かせるから娯楽も楽しむべし!
③受験のお供【おすすめグッズ編】
心理系大学院への進学を心に決めた人に向けて、分かりやすく安価な参考書や勉強に使いやすいおすすめグッズも紹介します。
【受験対策編】の参考記事内にもあるけどね
院試おすすめ参考書
心理学関連の参考書はたくさん出ているため「どれを使えばいいか分からない」人もいます。
筆者は参考書選びで時間ロスった(不毛)
参考書選びで足踏みしていてはもったいないので、悩んでいる人はこちらを参考にしてみてください。
院試できちんとインプットすれば、その後待ち受けている資格試験でも知識を活かすことができます。
勉強の際は1冊軸となる本を決めて、2~3冊見ながらインプットしていくと手厚く勉強可能です。
また、個人的には早い段階で精神疾患に関するインプットを進めたのが役立ったと思っています。
\ 何回も読みました /
勉強のウォームアップにもなるので、自分の興味ある○○心理学を最低1つ見つけておきましょう!
筆者の愛用勉強グッズ
勉強グッズは、高校入試や大学受験で各々が使っていたお気に入りを使えばOKです。
✓筆者が現役で愛用した物が気になる
✓安価で良い物を探している
✓院試で役立つ物が知りたい
上記に当てはまる人はこちらを参考にどうぞ。
\ 安価な精鋭揃えました /
「これある方が院試当日安心できる」って物も紹介しているので勉強の息抜きにご覧ください!
人のおすすめグッズって気になるよね
おわりに:受験までにすることを洗い出せば後は実行のみ!
臨床心理士や公認心理師になりたい・興味があるという人は、まず資格取得までの大まかな流れを知って、息抜きしつつ勉強しましょう。
基本的な流れはこう。
② 資料・願書請求や願書・研究計画書などの提出
③ 息抜きしながら専門科目や英語の勉強、面接対策にイメトレなど
④ 受験
⑤ 合格後の手続きをして晴れて進学!
進学後は修了に向けて各自の勉強をして、資格試験の受験に臨みましょう。
こうやって見ると長い道のり?
受験期間はせめて1年ほどとっておきましょう。
仲間作りや勉強の軸が不安な人は予備校を検討してもいいと思います。
『サイコロブログ』を1つの例にして勉強進めてもいいんやで
困ったら筆者で良ければ相談のるよ!がんばろう!
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