こんにちは、臨床心理士・公認心理師のしあんです。
漢検や英検のように、実は心理学にも「心理学検定」という検定試験があります。

知名度低いけど
誰でも受検可能な心理学検定ですが、「正直なところよく分からない」人は多いです。
✓取得したら何に使えるの?
✓メリットある?
✓どうやって勉強すればいいの?
今回はこのような悩みを解消するために心理学検定についての解説と、心理学検定受検済みの筆者によるリアルな情報を公開します。

受検は10年くらい前だけどね
・心理学部生や心理学に興味がある人
・心理学検定の受検を考えている人
・心理学検定のメリット・デメリットを知りたい人
・先人の生の声が聞きたい人
※心理系大学院受験希望者は必須!
心理学検定とは
心理学検定は、大学レベルの心理学の基礎能力を認める検定試験で、一般社団法人日本心理学諸学会連合(日心連)が行っています。
臨床心理士や公認心理師とちがって受験資格はないため、誰でも挑戦できます。

高校生も、心理学部外でも可!
試験は年1回で、8月の後半頃に行われます。
心理学検定は「心理学の基礎知識をきちんと勉強・理解した」という証になるので、心理学に興味がある人はチャレンジしてみても良いかもしれません。
等級と試験範囲
心理学検定の等級は特1級、1級、2級の3段階あります。
試験範囲は少し複雑で、A領域(5科目)とB領域(5科目)に分かれて合計10領域あり、全部合格で特1級、A領域の4科目+2科目合格で1級、A領域の2科目+3科目合格で2級取得です。

心理学ってかなり幅広いテーマなんだね
1科目20問の4択マークシートで、1科目当たりの時間は20分なので、ささっと回答していきましょう。

マークだし迷ったら直観
個人申し込みもできますが、大学で団体申し込みも可能でその方が少し受検料は安くなります。
3科目以内、6科目以内、8科目以内という受検方式で、それぞれ受検料が変わるためこちらでチェックしてください。

最高8科目じゃフル合格の特1級取れないよ…?
合格した科目は5年間合算OKなので、特1級を取得するには2度以上受検する必要があります。

ガバガバ
合格率
心理学検定の等級ごとの合格率は、1級が20%程度、2級が30%程度と日心連で公開されています。

全体の合格率は大体50~60%程度
各科目ごとの難易度については公開がありませんが、B領域の「⑦統計・測定・評価」や「⑩犯罪・非行」は平均点が低いという噂。

統計は文系心理の民は苦手が多いし、犯罪は講義やらない大学も多いからかな
6科目受検で1級を取得した筆者の体感としては、B領域なら「⑨健康・福祉」が狙い目と思います。

2級のつもりでほぼノー勉だったけど意外と感覚で解ける科目だった
心理学検定は役立つ?
心理学検定の目的は日心連でこのように定義づけられています。
「心理学の基礎資格として,大学院の入学試験,心理学関連の諸資格の認定,あるいは公的機関や企業等での専門知識の証明として利用されることなどを目指すもの」
しかし、実際は取得したからといって就職などで役に立ちません。

履歴書に書いても良いけどほぼ意味ない
周りからは「心理学をちょっとかじった人」程度にしか思われないことが多いです。
一部職場では心理の知識を問われたり、一部大学院では入試時に何らかの措置として使えるなどがメリットです。
心理学検定の一番のメリットは、受検者の自信になることと言えます。
✓心理職に就くための勉強をしたい
✓心理系大学院の受験勉強にしたい など
特に心理学関連の道に興味がある人にとっては役立つ資格ですよ。
筆者は大学3年時に、心理系大学院を目指すための肩慣らしとして受検しましたが、1級を取得したことで進学の意志がより固まりました。

なんなら「大学院も合格するわコレ」って自信満々になった

しあんが自信家になるって相当なレア事案だよね
大学院受験には、大学受験のような進学希望者も少ないためか模試があまりありません。
最近になって心理学に特化した中央ゼミナールなどが模試を行うようになりましたが、やはり母数の少なさや大学院ごとに受験問題の特色が異なりすぎるため、正確な実力判定は難しいと思われます。
心理系大学院の受験や心理士を目指している人にとって、個人的には心理学検定で力試しをすることはおすすめです。
心理学検定の勉強法
広く浅くな出題である心理学検定ですが、誰でも受検可能で独学での合格も十分可能な検定試験です。
「そんなにたくさんどうやって勉強するの?」と困る場合は、日心連が出している書籍を参考に利用しましょう。

ぶっちゃけこれで十分
『公式問題集』は過去問で、『一問一答問題集』は4択マークになっていないので、より試験らしい勉強をするなら『公式問題集』がおすすめです。
『基本キーワード』は「内容が浅くて使えない」のような口コミが多いですが、心理学検定で問われる内容は広く浅い範囲なので問題ないです。
いきなり問題集を解いても撃沈するので、『基本キーワード』で用語を何となく覚えてから過去問に挑戦する方法が一番効率的なので、悩んだらその順でやってみてください。

各科目の合格目安は6割だから、参考書籍で7~8割理解するつもりで
合格だけなら受検する科目のみで十分ですね。
心理学部生であれば参考書籍のみで十分ですが、独学の場合は心理学の概論を1冊読んでおく方が理解度は増します。
心理学の概論書はいくつかありますがお堅い本が多く、「結局どういうこと??」と突っ込みたくなる本が多いですが、こちらはしっかりと広く浅く解説できています(学部生時に見たかった)。

その他勉強に関する記事もチェック
おわりに:心理学に興味ある人は心理学検定に挑戦する価値あり!
心理学検定は誰でも受検可能で、合格すると心理学の基礎を学んだ証明になります。
等級はこの通り。
・1級…A領域から4科目+2科目
・2級…A領域から2科目+3科目
受検料は個人か団体、何科目かによって変わるため日心連をチェックしましょう。
心理学検定を取得することで具体的なメリットは正直ありませんが、心理学を究めたい人や、心理系大学院を受験予定の人は力試しに最適です。

自分の心理学知識の自信になるよ!
合格率は全体で見ると50~60%で、等級ごとに見ると1級が20%程度、2級が30%なので、合格したい等級に合わせて受検科目を厳選しましょう。
受検勉強に困ったら、日心連から出ている『基本キーワード』→『公式問題集』を最低限7~8割覚えるように暗記するのが良いですよ。
2020年度版 心理学検定 公式問題集 [ 日本心理学諸学会連合 心理学検定局 ]
広く浅く心理学の基礎を学べば、心理系大学院への道はあと少しです。

『基本キーワード』でも「?」となる人は別の心理学概論で予習もあり
年1回、8月後半に行われる検定に向けて、受検生はファイトです。

1~2ヶ月勉強でも十分何とかなるけどな
コメント