こんにちは、臨床心理士・公認心理師のしあんです。
これから心理系大学院や心理職を目指そうと考えている学生や社会人には、こんな疑問ありませんか?
✓心理学部は必須?
✓他学部出身でも心理系大学院は目指せる?
✓心理学部じゃなくても心理職になれる?
今回は、心理職に興味がある人たちに向けて、他学部でも心理系大学院を目指せるかを解説します。
もちろん行けるで(冒頭からクライマックス)
「心理学部って入るの難しそう…」「心理学部じゃないけど心理職になりたい」こう思う人は要チェックです!
また、これから心理職を目指すにあたって臨床心理士と公認心理師のどちらがいいか(どちらを目指せるか)についてもふれるので、参考にしてみてください。
\ 心理シって何? /
こんな人におすすめ!
・心理学に興味がある人
・臨床心理士や公認心理師になりたい人
・他学部だけど心理系大学院が気になる人
・社会人で心理の資格取得を悩んでいる人
Q:心理学部じゃなくても心理系大学院は目指せるのか
A:当然だよなぁ!
まず、心理学部でなくても心理系大学院を目指すことは可能です。
心理系大学院の受験に目立った受験資格はないので、他学部出身でも問題ありません。
ただし、心理学部在籍の方が勉強しやすかったり、内部進学しやすかったり当然メリットがあります。
他学部から受験する場合は、院試で勝ち残れるようにしっかりと勉強する必要がありますね。
\ 勉強の参考にどうぞ /
なお、ここからが問題(?)。
心理系大学院自体は何学部からでも目指すことができますが、その後の選択として臨床心理士資格試験は受験できても国家資格である公認心理師は受験できません。
おん?!
臨床心理士は民間資格ですが無数にある他の心理の民間資格とちがって、社会的にも信頼され専門性も保たれています。
その一要素として臨床心理士資格試験を受験するには、資格認定協会が定めた指定大学院の修了が条件です。
留年しなければ2年で受験可
一方、心理職初の国家資格である公認心理師の資格試験の受験条件は、基本的に以下の2つ。
①心理学部卒業→心理系大学院修了
②心理学部卒業→定められた施設で2年研鑽
基本的には心理学部で必要科目を履修する必要があり、①がメインルートになります。
2022年(R4年)の資格試験までは、現任者に対する移行措置として上記以外の受験ルートもあり、教師や精神保健福祉士など隣接資格の人でも受験可能です。
ただし、心理職としての業務実習経験が必要。実際に心理職としての実習経験がないのにごまかして受験・合格すると資格取消の可能性もあり〼
つまり、これから公認心理師を取得する場合は原則心理学部へ進学する必要があるということです。
まとめるとこんな感じ。
学部 | 心理系大学院 | 臨床心理士 | 公認心理師 |
他学部 | 〇 | 〇 | × |
心理学部 | 〇 | 〇 | 〇 |
心理学部出とく方が安心だね
Q:臨床心理士vs公認心理師vsその他の扱い?
臨床心理士と公認心理師はどちらも心の専門家で似通った資格なため、「どっちを取ればいいの?」という疑問ももっとも。
現場での体感としては、現状どちらもあまり違いはなく心理職として働くこともできます。
強いて言うなら、臨床心理士は心理療法やアセスメントなどより専門性が高く、公認心理師は多職種・地域への連携や心の知識の普及を重視したイメージがあり
公認心理師はまだ出来たてホヤホヤの資格です。
あくまで印象ですが、資格誕生から最初の5年は心理職としての経験がない多職種でも受験可能なこともあり、経験や専門性が保たれているというより心理の知識がある人という感じ(多職種上がりを非難している訳ではありません)。
公認心理師はこれからに期待って感じかな
実際、専門性を求めて臨床心理士の有資格者を求める求人は多いかも
ただし、医療現場で活躍したい場合は公認心理師を取得することをおすすめします。
国家資格である公認心理師は診療報酬(医療行為を行うと医療機関がもらえる報酬)が微量ですが絡んでくるため、医療機関としては臨床心理士よりも採用メリットがあるようです。
診療報酬に心理職がじわじわ参戦中です
また、臨床心理士・公認心理師以外のその他の心理の民間資格については、心理職としての就職は不可能に近いと言えます。
産業カウンセラーは比較的使える資格
心の病気の知識を得て予防意識を高めるなど個人の財産にはなるため、自己研鑽用と捉えておくのがベターかもしれません。
心理職ではないけど自他の心の健康を守りたいと思うなら、メンタルヘルス・マネジメント🄬検定を勉強するのもあり。
3コースに分かれているので自分のレベルに合った知識を学びやすいです。
心理職として働きたいなら臨床心理士か公認心理師、もしくは両方を取得し、知識を学んで自己成長したい場合はその他の民間資格でも十分でしょう。
立場別の心理への道
上記を踏まえるとこんなところ。
・他学部でも心理系大学院や臨床心理士は目指せる
・心理学部を出ると融通が利きやすい
・心理職に就くなら臨床心理士・公認心理師が安泰
・医療現場に就きたいなら公認心理師は求められやすい
他学部でも心理職目指せるのは事実
心理学に興味がある人は、将来的に心理職に就いてみたいかをまず考えてみてください。
「絶対なりたいか」ではなく、「心理職・心理学が気になるかも」と思えるなら選択肢に入れればいいかと。
進路は悩むものだからきっかけは「ちょっと気になる」で充分よ
以下、立場毎のポイントを参考にしてみてください。
・高校生までの場合
・大学生(心理学部生)の場合
・大学生(他学部)・社会人の場合
高校生までの場合
心理に興味があると感じるなら、可能なら心理学部を目指してみてください。
心理学部で必要単位を取得して卒業すれば、その後心理系大学院はもちろん臨床心理士も公認心理師もどちらも目指せます。
心理学部で必要単位を取得すれば、心理学の知識を収めた証明になる認定心理士も取得可(ただし心理職に就けるとは言い難い)
心理に興味あった筆者は心理学部全滅してるぞ
ぎくっっ
心理学部が万が一ダメでも、心理学科や心理学コースなどで公認心理師養成カリキュラムを組んでいる大学もあるため、身近な大学のHPは必ずチェックしましょう!
ちなみに心理学は文系でおっけぃ
(ククク…心理の講義には統計という魔の計算がある。数字からは逃げられんぞ!)
ベンキョウ、オウエンシテル by 筆者
大学生(心理学部生)の場合
心理学部在籍の場合は、心理学系の講義はしっかり履修しましょう(心理の道に進むかはともかく卒業に必要)。
心理職に興味があるなら、自分の大学の大学院が心理の指定大学院かを要チェック(▶こちら)。
内部進学できるかも
「内部進学できない」「他所の大学院に行きたい」場合は勿論他所でもOKです。
心理学部を卒業して心理系大学院を修了すれば、基本的には臨床心理士も公認心理師もどちらも目指せます。
公認心理師は大卒+定められた施設実習で受験可能ですが、そもそも該当施設は少ない&条件が過酷なので、大学院進学が近道かと
あとは勉強よ
最初の関門である心理系大学院の院試は大抵下記の通り。
✓英語
✓専門科目(心理学)
✓面接
進学希望者は英語と心理学の勉強が必要ですね。
はじめは英単語(主に動詞)の復習・暗記、心理学のインプットがおすすめ。
大学入試の単語帳、気になる分野の心理学の本からで導入はOK
臨床心理学の知識はほぼ必須なので1冊読み込んでおきましょう。
\ 筆者使用品 /
深すぎず、でも十分なボリュームがあるのでこれ1冊インプットできればかなり力になるはずです。
\ 勉強法悩んだらこちら /
大学生(他学部)・社会人の場合
心理学部以外に在籍している場合は、まず心理職を目指したいのか、資格を取得したいのか気持ちを再確認しましょう。
心理の道に興味がある場合はだいたい3パターン。
・心理系大学院を受験して臨床心理士を目指す
・心理学部に入り直して公認心理師も視野に入れる
・その他民間資格を取得する
心理職最短なら臨床心理士
臨床心理士のみでも心理職としての就職は現状可能です。
ただし、今後国資の公認心理師への期待は高まっていくことが予想されるため、「医療機関で働きたい!」など明確な意志がある場合は公認心理師も検討の価値あり。
公認心理師取得を目指すと、大学4年+大学院or実習2年=6年ほどかかる可能性があります。時間とお金も含めてよく考えましょう
関連記事もあるので各々気になる記事を参考にご覧ください。
心理系大学院は社会人の場合、専門科目(論述)+面接でパスでき、英語の試験は免除されるところも多いのがポイント。
ブランク気にすることなかれ!
「心理学に興味はあるけど仕事にしたいほどじゃない」「心理の知識を得たい」場合はその他民間資格の取得でも十分かも。
おわりに:心理学部以外でも心理士は目指せるけど取得できる資格に注意!
心理学部以外でも、大学卒業後に心理系大学院の受験は可能です。
ただし注意点があります。
民間資格で専門家として質も高い臨床心理士は、指定された心理系大学院を修了することで目指すことができますが、国家資格の公認心理師は今後、心理学部で定められたカリキュラムを履修して卒業する必要があります。
臨床心理士や公認心理師として活動したい場合はこんな感じ。
・高校生まで→心理学部を目指すと2資格対応可
・心理学部→心理系大学院卒で2資格対応可
・他学部や社会人→心理系大学院卒で臨床心理士が目指せる(公認心理師は心理学部から始めれば対応可)
時間もお金もかかるし動機もよく考えてね
「心理系大学院目指すぞ!」と気持ちが固まって何から勉強すればいいか分からない人は、こちらが分かりやすくまとまっているので手に取ってみてください。
当ブログでずっと推してるけどまじでみんなこれ持ってた
ストレス社会を生き抜くにあたり、心の知識は学ぶだけでも十分な価値があります。
有資格者を目指すかはともかく、気になる分野や精神疾患については個人で勉強してみて良いかもしれません。
心理学部や心理系大学院へ進学する人は、勉強ファイトです!
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