こんにちは、臨床心理士・公認心理師のしあんです。
臨床心理士や公認心理師を目指すにあたって、大学院進学は大事な要素です。
今回は「大学院ってどんなところ?」「どう決めればいいの?」という疑問に対して答えていこうと思います。
どこでも良い訳じゃないからね!
こんな人におすすめ!
・大学院がどんなところか気になる人
・進学を考えているけど選び方がよく分からない人
・大学院を選ぶポイントを知りたい人
・修了生の体験が知りたい人
※心理系大学院進学希望者は必須
大学院とは
大学院とは、世間的な位置づけとしては大学(4年)を出た後の進路の1つで、さらに2年勉強や研究などで在籍する場所です。
高度専門教育機関と言われていて、ざっくり言うと研究者や専門家を育てたり生涯学習をもっとしたりする場所ですね。
(しかし実際は自分で動かないと何も教育されない)by 筆者
学びの場であることは間違いありません。
なので「大学卒業してもまだ社会人になりたくないからもう2年学生生活をしよう!」なんてモラトリアム人間にはおすすめできません。
\ 辞めたくなることも… /
中途半端な気持ちで進学すると続かないor苦しい2年になるよ
実際、大学院生になって筆者が最初に感じたのは『大学以上の自由さ』でした。
放置プレイとも言う
履修も勉強も修論も進路選択も、自分が動かないとただ時間だけが流れることになります(さらっと書いてあるけどとても恐ろしいこと…!)。
せっつかれることはあっても、基本的には誰も助けてくれないよ
自分の勉強は自分でしましょうという場なので、モラトリアム人間が進学してもきついゆえんですね。
「臨床心理士・公認心理師になりたい」「心理学についてもう少し究めたい」など、何かしら目的をもって進学しないと自己決定は難しいかもです。
※院生になっても気持ちは社会人になろう
大学院生は確かに社会人ではなくて大学院という学びの場に所属する身ですが、学生ではありません。
「教育機関行ってるうちはまだ学生じゃん?」と思っていては痛い目見ます。
「気持ちは社会人」の感覚まじでおすすめ
院生の間に学外実習や学内実習で社会の方々との接点を持ちます。
しかも、臨床心理士・公認心理師など専門家のたまごとしてです。
「学生だから」なんて気分でいても、患者さん(クライエント)は私たちのことを「カウンセラー」「先生」として見ているのですから、大学を出た時点で社会人の意識を持ちましょう。
でも院生ってどうしても甘えがちなのが現状。学割定期も使えるしなぁ
修了生としては伝わってほしいポイントかな…
心理系大学院の選び方
個人的な意見ですが、正直指定大学院であればどの大学院を出ても構わないと思います。
多くの場合は、臨床心理士・公認心理師になるためのあくまで通過点にすぎないですし(研究ちゃんとしたい人はしっかり選びましょう!)。
\ 指定大学院の違い /
一応の目安を紹介していくよ!
博士課程に進まなければ基本的に最終学歴になるので、学歴が気になる人(学歴ロンダリングを狙いたい人)は国公立を目指してもいいかもしれません。
ちなみに筆者は私大→国立大学院卒で、結果として学歴ロンダリングになったパターンですが、資格を取得すればどこの指定大学院を出ても扱いは同じです。
国立大学院出身=良い心理士とは限らない
大学院進学自体が1つの難関ではありますが、大学院進学がゴールではありません。
国公立・私立の枠組みや大学名にビビらず、1番は自分が行ってみたい場所を選ぶ感覚で良いと思います。
選ぶ指標は数行下にも記載あり〼
外部サイトですが河合塾KALSのホームページだと、全国の指定大学院を探しやすいので活用してみてください。
ちなみに、大学院に偏差値はありません。
えっっ
どうしても参考にしたい場合は大学(心理学部)の偏差値を参考にしたり、入試倍率で見たりする方法もあります。
京都中央ゼミナールのホームページでは一部の入試結果の記載があります。
気になる大学院のホームページには出願者数や合格者数の記載があるため、各自倍率を目安にしてみてください。
大体1~3倍ぐらいで多いと10倍近い!筆者の院試は3倍ちょっとだったかな
「大学院ってむずそう=頭良くないと入れなさそう」と考えがちですが、興味のあることへの勉強は意外とできるものなので、大学名はあまり気にせず選んでみましょう!
更に具体的な目安は下記の通りです。
✓指定大学院かどうか
✓通いやすいか(下宿しやすいか)
✓興味の持てる教授がいるか(学ぼうと思えるか)
✓資格試験や就職の過去の実績
✓学費
指定大学院かどうかをチェック
心理系大学院の場合、これは絶対条件。
臨床心理士や公認心理師が取得できる大学院なのかは必ず大学院のホームページで確認しましょう!
指定第1種であることがさらに大事です。
指定第1種の大学院であれば、修了年に臨床心理士試験を受験できますが、指定第2種だと修了後にまだ研修が必要なので資格取得までにさらに時間が必要です。
第2種でもいいんですが、スムーズに臨床心理士試験を受験したいのであれば第1種の大学院を探しましょう。
通いやすいところ
大学院選びにあたって自宅からのアクセスのしやすさは重要だと思います。
大学院近くに下宿するのでもOKです。
院生生活は忙しいから移動時間バカにならない!
研究や実習の日々が忙しくなってくると、大学院の滞在時間も当然増えます。
疲れ切って、ようやく帰宅できるのにその岐路も大変なんて地獄ですよ…。
行き帰りの電車で音楽聴くのが癒しだった
Amazon Music Unlimitedでそのとき聴きたい曲を聴けるので、大学院の往復のお供に使ってみてください。
また、進学してから近場に引っ越すケースもよくあるので、近いに越したことはないです。
時間の余裕ができればアルバイトも可能で、大学院とアルバイトについての記事もあるので良ければ参考にどうぞ。
興味の持てる専門分野の教授がいる
大学院のホームページを見ると、教授の専門分野もたいてい紹介されています。
「この人の研究おもしろそう」って思ったら、その教授のいる大学院を選ぶのもおすすめです。
「そんな安直でいいの?」って思うやん?
修論指導が可能かどうかもポイントだからむしろ超良いんだぜ
志望動機としても推しやすくて、選び方としてまっとうです。
逆に、自分の予定する修論テーマと大学院の教授の専門分野が全く合わないと「他所の大学院で良いのでは?」と煙たがられることも…。
過去の実績
その大学院の修了生がどんなところへ就職しているかや、どれだけの人が臨床心理士・公認心理師になれているのかも大学院選びのポイントだと思います。
各大学院のホームページに記載があるので必ずチェックしましょう!
就職も資格試験も基本的に動くのは自分自身ですが、資格試験の合格率の低い大学院で自分が頑張れるのかは…怪しいのでは?
不必要な不安は取り除くべし
学費で判断
これも大学院選びで重要視していいポイントです。
院生生活ってとてもお金が要ります。
✓講義、勉強、研究用の書籍代
✓論文のコピー代(修論のため)
✓実習の移動費
✓学会加入とその参加・移動費
✓教授との飲み会費 など
グッバイお金
筆者は大学卒業時40万ほど貯金を残していましたが、修了の頃にはマイナスで親に借金しました。
学費が安いという意味では、私立より国公立になるかもしれませんね。
\ 学費の詳細はこちら /
ちなみに私立だと、お金はかかりますが自分の研究部屋を与えられる大学院もあります。
2年間をいい環境で過ごしたい人は私立で探してみてもいいと思います。
筆者の場合
筆者は、近場の大学院を3つほど受験することにしました(実際に受験したのは2校)。
とにかく学力に自信がなかったので、大学(学部)の偏差値としては低めな2つと、記念受験として国立1つでした。
志望動機の感覚は「とにかくどこか受かればいい」だったなぁ。偏差値ないとはいえ、気持ちの問題でもあったかも!
志望校の数は1~3つ程度選んでみてください。
受験料が高いことと、似た時期に試験が行われるため試験日が被らないように気をつける必要があります。
A大学院の2次とB大学院の1次が被るとかよくあるから、スケジュールしっかり把握しとこうな!!
ちなみに、心理学手帳というスケジュール帳であり心理学の基礎知識が載っている手帳があります。
試験直前でもスケジュールと心理学知識の確認ができる+モチベが少し上がるので興味ある人は使ってみてください。
\ 一石二鳥アイテム /
試験前に地味にお守りになったなぁ(泣)
駅やバス停から近いところ、なるべく安いところ、毎年9割以上が資格試験をクリアしている実績のあることをポイントに選びました(資格試験の合格率が6割前後とか低い大学院もあるんです)。
ありがたいことに学費は親に出してもらっていて…、お金の面は特に重要視しました。
筆者は私大出身なので、私大4年+私大の院2年の学費はなるべく避けたかったんです。
複数合格を得たのですが、筆者の場合そこでも学費で決めました。
おわりに:第1種指定大学院+α!
大学院ってお金もかかるし、自分で自分をマネジメントしていく気持ちがないと2年間が苦しくなってしまいます。
選び方の最低条件は『指定大学院であること』です。
あとはアクセスの良さや教授の専門、学費を重視して、大学院の雰囲気だったり、過去問やってみて相性いいところだったり、自分が好きなところを選びましょう。
大学(学部)の偏差値が自分と同等の大学院を受験してみていいと思います。
「ここでなら2年過ごせそう」って思える場所を探そう
大学院の説明会についての記事はこちら。
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