こんにちは、臨床心理士・公認心理師のしあんです。
心理系大学院を無事に修了したら、いよいよ臨床心理士・公認心理師の資格取得に向けての動きが始まりますね。
修了後半年ほどの受験期間をどう過ごせばいいか悩む人も多いと思います。
今回は筆者の実際の経験談を踏まえて、資格取得までのおすすめ対策や試験の実際を説明していきます。
・臨床心理士資格試験の具体的な流れを知りたい方
・経験者の生の声を聞きたい方
・受験生!
令和2年度の臨床心理士資格試験のスケジュール
令和2年のスケジュールは下記の通りです。
受験受付期間…令和2年7月7日~同年8月31日(当日消印有効)
一次試験(筆記)…令和2年10月17日(土)
二次試験(口述面接)…令和2年11月7日~9日(土~月)
合格発表…令和2年12月下旬頃
詳しくはこちらで確認できるので、受験者は必ず目を通しましょう。
『新・臨床心理士になるために』(誠信書房)にも載っているので受験者は購入していいと思います。

前年度の過去問(一部抜粋)や、過去の合格率なども載ってるよ
筆者の対策の流れ
筆者の場合は大学院修了後から勉強しようという気持ちだけは持っていましたが、実際勉強し始めたのは5月頃からだったと思います。
何故かというと4月から常勤で就職し、就職先に慣れたり日々の仕事を覚えることでいっぱいいっぱいになってしまったからです。

言い訳ベイベー
少し逸れますが大学院修了時点では臨床心理士の資格は当然ないため、就職を選ばず大学院に残って勉強に専念する人もいますし、2~3日のパートにとどまる人もいます。
話を戻しますが、筆者なりに気持ちはあったので3~4月中は参考書や過去問を入手して勉強環境を整えていました。
筆者が使用した2冊はこちら。
使い方についても本記事で紹介します!

この2種類あれば十分事足りるで~
筆者の対策スケジュール
5月頃から参考書に目を通しつつ、最新の過去問からさかのぼって順番に解き始めました。
古い問題を解く際は、DSMや法律など古い情報も多いため除外する必要があります。
なので、過去5年分くらいをきちんと解く方が効率はいいかもしれません。

しあんは5年分くらいは確実に回答できるようにして、順次さらにさかのぼったよ
2、3年分くらいやると少し出題傾向が分かるので、筆者はよく出ていると感じた分野をテキストで補完していきました。
ロールシャッハやWAIS・WISCなど心理検査の解釈についてや、法律関連は出題傾向高いのでしっかり見ときましょう。
巷では、『一発合格!臨床心理士対策テキスト&予想問題集(ナツメ社)』の付録の予想問題集が難易度高く、これで6、7割できていれば安心という噂もあったり。

実際の試験のボーダーラインも6割くらいね
過去問で満点がとれるくらいには繰り返しやっておくことをおすすめします。

問題の答えを覚えてしまったら、一旦過去問から離れて息抜きしたりテキストで知識の補充をしとこう
筆者は仕事で時間のない平日は過去問を解いて採点し、休日に過去問の正誤を確認してテキストをもとに知識の補完が勉強の流れでした。
過去問1巡目は確認の意味も込めて、正答した問題についても調べておくと定着しやすいと思います。
“過去問一通りやったらテキストに戻って怪しい分野のノート作り”をループしました。
書類請求や受験受付も忘れずに並行しましょう!
一次試験(筆記)
試験は東京ビッグサイトという大きな会場で行うことが多いです。
経験者がよく言うことですがけっこう冷えるので防寒対策をしていく方がいいです。

しあんは寒くなかったけどブランケットやカイロ持参の人がちらほらいたよ
試験前は会場に先入りして勉強している人が多いらしいですよ。

しあんはその雰囲気が嫌でギリギリで会場入りしたから知人情報
当日の流れは、午前にマークシート、午後に論述でした。
お昼休憩のコンビニはとんでもなく混むので昼食は買っておく方がいいですね。
筆記試験はとにかく最後までマークする・書くことを心がけましょう(当たり前)。
論述は文字数さえしっかり守れば(中身ペラペラでも)大丈夫です。

一応どんなこと書いたかは試験後にメモっとこうね!
個人的には、常勤でも非常勤でもいいので大学院以外の現場で仕事をしている方が、論述内容は書きやすい印象がありました。
その年にもよりますが、自身の経験を踏まえての記述がけっこう多いからです。
筆者の年のテーマは『臨床心理士の専門性と独自性について踏まえ、自身の体験をもとに、クライエントにとって自分が如何に役立ちうるか』を論じる内容でした。

仕事を絡めれば下記進めやすいよ
二次試験(口述面接)
一次試験の合格者だけが二次試験に進めます。
一次試験の結果の封筒の厚みで分かるとか噂もありますが、一次通過しても封筒薄いですよ(笑)
二次試験の日程は指定されるので選べません。
また、大学院の同期(と先輩)と口述面接の時間帯は被るので、一次を通過したかがその日に分かっちゃいます…。

いない同期がいるとなんか気まずいやつ…
口述面接の内容は、紹介した本にも載っているので気になる方は見てみてください。
面接官は2、3人で、けっこう距離が離れていたのであまり緊張しなかったです。
筆者の場合は和やかで受容的で、他の部屋より早く終わっていました(10分程度)。
聞かれた内容はこんな感じ。※()は回答。2人から質問されました。
・一次の論述はどうだったか。(考えさせられた)どんなところが?
・今何の仕事をしているか。雇用。(テスターもしている)どんな検査を取っているか。
・どんなケースを持っているか。
・臨床心理士を取得してどんな専門家になりたいか。どんな領域で働きたいか。
・今まで大学院も含めての臨床経験で身についたことは?
・自分のどんなところがこれからの課題?
・SVは受けているか。
・職場にはどんな人がいるか。
・職場でどう連携しているか。どんなことに気を付けて連携しているか。
面接対策ですが、長々話そうとすると何喋っているか分からなくなって焦りやすいと思うので手短に答えましょう!
向こうからけっこう質問されます。
また、現在の仕事内容については聞かれることが多いようです。
仕事が少ない同級生は修論についてけっこう聞かれたとか。
社会人経験者は何故臨床心理士を目指したかを突っ込まれやすいようです。
全体的に受け答えについては、なるべく謙虚になりましょう。
これからこころの専門家になる我々の人あたりはばっちり見られていると思います。

この人感じ悪いな…って感じた知り合いは大抵二次で落ちてましたわ…
ちなみに服装ですが、スーツが圧倒的に多かったです。
スーツでなくても清潔感のある、きちんとした格好で臨みましょうね。
合格発表とその後
12月中旬頃に合否の郵便物が届きます。
それから手続きを済ませると、次年度の4月からは臨床心理士です。
臨床心理士は民間資格で5年ごとに更新の必要があります。
5年のうちに必要な領域で15ポイント以上取得しなければならないので、学会に入会したり、研修会に参加したり、SVを受けたり、専門性の質を高めるための研鑽をしていくことになります。
認定証の賞状がもらえるので、なんだか感動しましたね。
まとめ:一次は過去問、二次は謙虚に!
大学院を修了したら、あとは資格試験をクリアするだけ。
筆記の内容は本当に過去問で見たことある問題が多いのでとにかく過去問を信用してください。
勉強は過去問中心に、分からなかった分野をテキストで補完するを繰り返すがおすすめです。
口述面接は明るくにこにこ、謙虚にで10~15分くらい乗り切れるので、質問されたことに簡単に答えましょう。
臨床心理士になる前も取得後も情報共有は大事です。
経験者の方で経験談の補足があれば是非コメントいただけたらなと思います。
受験生の不安解消にもつながりますし、臨床心理士のつながりが少しでも広がればまた幸いです。

長くなったけど、受験予定のみなさんがんばれ!
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