こんにちは、臨床心理士・公認心理師のしあんです。
心理学に興味をもち、心理系大学院を目指す人たちにとっては、院試についての些細なことも気になりがちです。
心理職と心理系大学院の需要は高まりつつも大学院の定員は決して多くないので、内部進学と外部進学という進学方法に過敏になる受験生もいます。
✓内部進学者の方が合格しやすいんじゃ?
✓外部進学する人っているの?
今回は心理系大学院の進学方法とその内情について、筆者の実体験をもとに紹介します。
暴かれし、闇…ッ!
本記事を最後まで読んで、院試への些細な不安を解消したり、院試あるあるや愚痴に思いを馳せてみてください。
こんな人におすすめ!
・内部と外部進学の実際を知りたい人
・心理系大学院受験を考えている人
・受験に向けてやる気を出したい人
あくまで筆者の体験で偏りもあります
【復習】大学院とは
大学院とは、大学を卒業した人が選べる進路の1つで、学部生以上に高度な専門教育を2年ほど受けることができる場です。
定められた論文を提出し課程を修了することで、課程によって修士号や博士号、専門職学位を得ることができます。
大学院というと理系のイメージが強いですが心理系大学院は文系のくくりで、臨床心理士資格試験を受験するためには心理協会が定めた第1種指定大学院または第2種指定大学院を修了する必要があります。
修士号でOK!第1種なら修了年に資格試験受験できるよ
臨床心理士を取得するには大学院進学(と修了)が必須!
「2年ほど」と表記したのは、修士課程は確かに2年間ですが、休学者や留年者が出やすく、修士3年(M3)のステージに進む人が多いためです。
もう1年遊べるドン★
(筆者留年の危機だったなぁ)
進学よりも修了する方が難しいので、大学院受験の意志がある人は「臨床心理士になるんだ!」などしっかりと目標をもって進学するようにしましょう。
入院より退院の方が何事もハード
大学院への進学と実際
大学院への進学方法は大きく3つあります。
①内部進学
②外部進学
③社会人進学
内部進学は、所属する大学(心理学科)に心理学の指定大学院があり、エスカレーターで進学することです。
外部進学は、所属する大学(心理学科もしくは他学科)に心理学の指定大学院がないため、大学とは別の指定大学院へ進学することですね。
社会人進学は割愛します
進学方法は複数あっても、心理系大学院の定員は10名前後が多く(最近では20名近くとる大学院も増えている)、全員で定員を争うことになります。
(大変そうに見えるけど大学入試とかと比べたら分母少ないからそうでもない)
定員の少なさや進学の難しさのイメージから、「内部進学は進学しやすい?(=外部進学は厳しい?)」という神話が生じやすいです。
外部進学者の筆者も震えました
①内部進学の実際
筆者は外部進学のため、大学院進学後に教授や内部進学者から実際に聞いた話ですが、正直、内部進学は院試のハードルが下がるようです。
は?
内部進学者も表向きは1次(筆記)・2次(面接)試験がありましたが、実際は1次のペーパーをクリアした人たちの面接はただの顔合わせで教授から「まぁ頑張ってね」で終わりだったとか。
筆者の大学院以外の私大でも同じような話を聞いたので、少し唖然としましたね…。
当時はムカついたけど、元々大学院のある大学に入学してるわけだし内部進学は特権かもしれない
なかには内部枠を撤廃し、将来の専門家のたまごを養成する場として、良質な受験生を採用する大学院も今では増え始めているようです。
内部進学希望者が多ければ当然ふるいにかけられますし、一概に内部贔屓が強い!とも言い切れませんが、有利な傾向はあります。
イイナーーー
また、内部進学のメリットですが、万が一進学がうまくいかなかったときに備えて、就活をする心の余裕や時間も外部者より生まれやすいです。
内内で事前にテストがある大学もあって、進学までのプロセスが分かりやすいみたい
ほかにも、エスカレーターだからこそ教授との関係性を築きやすいのも大きなメリットですね。
過剰なゴマすり同期いたわ
妬みが強いね…
一方デメリットですが、「内部進学で拾ってもらえるだろう」と油断する人がいたり、なんとなく進学しようと思って視野が狭くなる人が挙げられます。
よその大学院で自分に合う研究ができるとしても内部を選んでしまうと、「自分のやりたいことって何だっけ?」とアイデンティティの拡散にもつながりやすいです。
▼内部進学
〇大学院によってはこっそり院試が緩くなる
〇教授と関係を築きやすい
〇外部生より気持ちに余裕は生まれやすい
△「内部だし…」と油断する人がいる
△なんとなく進学する人もいる
内部進学は少し進学を有利にできるかもしれないけど、進学先はちゃんと考えようね
②外部進学の実際
外部進学は筆者の体験ベースで紹介していきますが、内部進学のように「もしかしたら拾ってもらえるかも…」というあわよくばな考えもないため、院試への不安がとにかく大きいです。
筆者は受かる気でいたけど、周りは不安強すぎて耐えられなくなって就活した人も多い
内部進学者がいる大学院だと特に狭き門になりやすいので、院試のハードルが少し上がる印象があります。
定員10名として内部進学者が数名いると思うと、外部にとって定員はもっと少ないですね。
そして筆者の大学院だけかもしれませんが、大学院側は外部から質の良い人材を採用する手前、進学後は「外部合格者=優秀な人=お手本」という見られ方をしました。
キツすぎ
また、教授からは内部生を基準に接されるため、学部時代の教養や選択科目の違いでちょっとした孤立感を感じました。
大変な面もありましたが、外部しか受験できない身だからこそ必死に受験勉強できるメリットもあります。
ワンチャンは掴みに行くしかない!
※カッコいいこと言ってるけど元アホ代表
ちなみに、進学後の心理学に関する知識では、内部生よりも外部生の方が充実している印象がありました(筆者の場合でも院試結果の上位は外部進学者でした。1位筆者でした)。
内部生を蹴散らすつもりで勉強するからかな?
心を扱う心理学に明確な優劣はないと思いますが、進学のための死にもの狂いさは外部生ならではのパワーかもしれませんね。
院試に向けて必死に勉強できることで、心理学の基礎知識を身につけられ、後の臨床心理士資格試験での勉強時点でも知識が残りやすいと思います。
▼外部進学
〇院試に向けて高いモチベーションで臨める
〇院試の段階で心理学の基礎知識を身につけやすい
〇資格試験の勉強にもなる
△院試のハードルが若干上がるかも
△外部受験という不安が強い
おわりに:自分が合格すると信じて勉強しよう!
大学院受験をする人は多くはありませんが、定員は10名前後がメジャーで「自分なんか合格できるの?」と不安になりやすいものです。
「内部受験は有利なんじゃ…」へのアンサーとして、筆者の経験では確かにそんな一面がありました。
しかし、心理系大学院のある大学に入学したという時点で、多少有利になってもそれは内部進学者の特権ですし、外部進学者だからこそよりハングリーに勉強を頑張れる良さもあります。
気になってもどっちが良いって話ではないね
椅子取りゲームは全力で勝ち取りに行けッ!
筆者自身「勉強」は本当に苦手だったので人のことは言えませんが、周りを気にするよりも自分が受かることをとにかく信じて毎日勉強することが合格の道だったと思います。
根拠のない自信や思い込みは、無意識にそれらに沿った行動をとるようになり、現実にさせる効果を自己成就的予言という
内部・外部受験のどちらにも一長一短はあるため、コツコツ心理学の知識をインプット・アウトプットしていくことが堅実です。
筆者が常々推す参考書はこちら。
多くの心理系大学院受験生が実際に使っていて、院試頻出のキーワードを一通り抑えることができます。
キーワードは100個ですが広く浅くまとめられているので読みやすいですよ。
院試当日まで油断せずに行こう!
コメント