こんにちは、臨床心理士・公認心理師のしあんです。
みなさんは『共依存』という言葉を聞いたことがありますか?
共依存は人間関係でよく使われる言葉で、互いに過剰に求め合う状態を指します。
・彼氏に尽くす彼女と、彼女に甘えたり暴力をふるう彼氏
家族関係や恋愛関係で心当たりのある人は意外といるのではないでしょうか。
今回は、共依存の知識とその克服の手掛かりについて説明していきます。
共依存に心当たりがない人でも、予防の参考にどうぞ!

筆者の実体験もあるよ(白目)
・『共依存』なうだと思う人
・克服の手掛かりを知っておきたい人
・恋愛でいつもつらい思いをする人
共依存についてもう少し知っておくこと

元々はアルコール依存から派生した概念で、依存対象で言えばいろいろあります。
・ギャンブル
・性
・ゲーム
・スマホ など…

ゲーム・スマホは近年ならではの依存対象やね

これらは依存の基準(DSMやICD)があることが多いので今回は割愛
対人関係でいうと「彼氏彼女や親など周りがとにかく自分に依存してくる」と感じる人たちは、自分自身も共依存に巻き込まれているかもしれない可能性があります。
“共に依存する”と書いて共依存です。
共依存の特徴ですが『自分では気づきにくい』点があります。
自分自身の人間関係を少しでも客観的に捉えることが大事なので、「もしかしたら自分も共依存に巻き込まれている?」という視点をもつことも大事です。
筆者の場合
今思うと共依存だったなぁと思える黒歴史を例として紹介します(白目)。
学生時代に付き合っていたDさん。
Dさんは前の恋人に浮気をされて『自分は裏切られた』と傷ついていました。
付き合い始めてからDさんはしあんに『裏切らないでね。しあんだけだよ』とすがり、しあんはDさんに「傷ついたんだな。傷を癒してあげたいな」と感じていました。
仲良くしていたものの、些細なことでDさんはしあんに暴言を吐いたり、殴りかかろうとしたり、連絡先を消して音信不通になったり、かと思えば急に謝りすがったり困らせてきました。
しあんは傷つきながらも「この人と向き合って、支えてあげられるのはきっと自分しかいない」と耐えていたのでした。

うわあああああああ!これほぼ実話

Dさんの場合パーソナリティ障害の傾向もあったけどね…
筆者例を見た第3者のみなさんなら「共依存じゃん!」って思えると思います。
ところが当時の筆者は共依存だとはまったく思いませんでした!(笑)

イタイんだよなぁ
他者から依存されていることに依存しているって、本当に気づきにくい(認めにくい)です。

筆者は友人から『共依存だよ!別れなよ!』と指摘されて初めて「そうなの…?」って気づき始めました。「でも離れられない…」って思った時点で依存でしたね…
「自分はこの人にとって必要な存在なんだ」という感覚は、裏を返せば「必要とされたい」という共依存の欲求と言えます。

ぐっさぁ
依存は病気なのか
正直程度によるので、一概に病気とは言えません。

依存そのものより、その背景にある自信のなさとかの方が心配の種だなぁ
また、依存の背景にはこのような欲求も潜んでいます。
・「周りに認めてもらいたい」
これらは誰もが求める欲求でもあります。
人や物に対して過度に依存することであなたの欲求は本当に満たされているのか、満たし方が誤っていないかが病気との分かれ目ですかね。
欲求については心理学者マズローの5段階記事もあるので勉強してみてください!
共依存はDVにつながりやすい

上記の筆者の例でも暴言を受けたとありましたが、共依存は暴力や暴言につながりやすいです。
でDVは成り立つ傾向があります。
特に、献身的に尽くす態度が相手の依存をより強めてしまいやすいです。

ダメンズ・ダメ女製造機になってしまう負のスパイラル…ッ!
ちなみにDVからは話が逸れますが、尽くしたい・世話したいなど献身的なパーソナリティの人ってボランティアや対人援助職に見られやすいです。

心理士も目指してる人も気をつけよう!!カウンセリングで共依存はあかん!!!
共依存は相互的な人間関係を台無しにしてしまう状態です。
エスカレートすると被害側もより危険になってしまうので、やはり認知が大切ですね。
共依存の克服3ステップ!

依存については基本的に対象を断つことが有効です。
また、100%相手優先になってしまう関係性を正すために自分も優先してみることも大事です。
共依存は一方的な関係性にもなりやすいため、対等さをテーマにしてもいいと思います。
①まずは関係性に気付くこと

友人、恋人、家族など心当たりのある人間関係について、客観的に振り返ってみましょう。
自分で振り返るのが難しい場合は、他の友人に話をきいてもらい意見をもらってみましょう。

客観的な意見を受け止めることも大事…!
・「怪しい…」☛依存的な関係性を認めて次のステップへ…
②対象から離れること(断つこと)

依存的な関係性に気付くことができたら、対象から離れることを視野に入れる方がいいです。
・恋愛関係なら別れるも選択肢に入れる
対象から離れることでお互いに今よりも冷静になれると思います。

いきなり消息不明人にならずに、宣言はしとこうね
ただし、距離を置こうなんて共依存相手には聞き入れてもらえない可能性も高いと思います(by 体験談)。
「相手が何をしてくるか分からない」と不安な人は、第3者を交えて話したり、すぐに誰かに助けてもらえる場で相手と話すことをおすすめします。
・距離を置けない☛次のステップへ…
③関係性を対等にしていく

正直②の『関係性を断つ』で終わる方がいいです。
③はせめてもの工夫であって、DVなど関係性が悪化しないための予防程度に捉えてください。
共依存の関係性は次第に加害ー被害関係も生む可能性があります。
相手優先な関係性であれば、自分の気持ちを優先させることも大事です。
・時には「NO!」と言ったり
・第3者に相談してみたり

相手も自分も尊重し合える関係性に近づけるといいなぁ
依存していた恋人と離れるのは辛いかもしれませんが、あなたを大切にしてくれる人は他にいます…。
1人の時間をとって自分の好きなように過ごすも良し、新しいパートナーを探すも良し。

対等で、気楽に一緒にいられる人が見つかりますように!
おわりに:依存だと思ったら一旦離れよう

相手に尽くしすぎたり何かにすがりすぎたりしても、残念ながらあなたの承認欲求はきっと満たされません。
それどころか自分をどんどん苦しめてしまいかねないです。
「もしかして共依存?」と感じる場合は「自分を大事にする」ことができていないかもしれません。
② 一旦でも距離を取り
③ 自分を大切にするために意見を言ったりNO!ということを覚える
これで現在の関係性にハサミを入れられるはずです。
客観視するためにも第3者に相談は有効なので、1人で悩みすぎないでくださいね。
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