こんにちは、臨床心理士・公認心理師のしあんです。
漢検や英検のように、実は心理学にも「心理学検定」という検定試験があります。
知名度低いけど
誰でも受検可能な心理学検定ですが「正直よく分からない」という人は多いです。
✓心理学検定ってそもそも何?
✓取得ってムズイ?
✓メリットある?
✓どうやって勉強すればいいの?
今回はこのような悩みを解消するために心理学検定についての解説と、心理学検定受検済みの筆者によるリアルな情報を公開します。
受検は10年くらい前だけどね
こんな人におすすめ!
・心理学部生や心理学に興味がある人
・心理学検定の受検を考えている人
・心理学検定の難易度を知りたい人
・心理学検定のメリット・デメリットを知りたい人
・先人の生の声が聞きたい人
※心理系大学院受験希望者は必須!
\ とにかく過去問やるべし /
心理学検定とは
心理学検定は大学レベルの心理学の基礎能力を認める検定試験で、一般社団法人日本心理学諸学会連合(日心連)が行っています。
臨床心理士や公認心理師とちがって受験資格はないため、誰でも挑戦できます。
高校生も心理学部外でも可!
試験は年1回で、7~8月頃に行われます。
※第16回(2023年分)の心理学検定
試験期間:2023年2月21日(火)~3月31日(金)
会場:公式サイト参照
心理学検定は「心理学の基礎知識をきちんと勉強・理解した」という証になるので、心理学に興味がある人はチャレンジしてみても良いかもしれません。
心に興味ある人はやる価値ありだね
等級と試験範囲
心理学検定の等級は特1級、1級、2級の3段階あります。
試験範囲は少し複雑で、A領域(5科目)とB領域(5科目)に分かれて合計10領域あり、全部合格で特1級、A領域の4科目を含む計6科目合格で1級、A領域の2科目を含む計3科目合格で2級取得です。
心理学ってかなり幅広いテーマなんだね
1科目20問の4択マークシートで、各領域の時間は100分、1科目当たりの時間は20分なので、ささっと回答していきましょう。
受検科目は試験当日に好きなの選んでOK!科目数も任意!(事前申請不要です)
マークだし迷ったら直感!
個人申し込みもできますが大学などで団体申し込みも可能で、その方が少し受検料は安くなります。
受検料はA領域/B領域各7700円(税込)で、両方受検で12100円(税込)だとか(昔とスタイル変わりました)。
A・Bセット割も準備中らしいのでこちらでチェックしてください。
また、合格した科目は5年間合算OKなので、1度の受検でうまくいかなくても次回受検時に合格科目を繰り越せます。
合格率(難易度)
心理学検定の各科目の合格率は6割程度です(等級ごとの合格率は、1級が20%程度、2級が30%程度と過去には公開されていました)。
全体の合格率は大体50~60%程度かな
各科目の難易度については公開がありませんが、B領域の「⑦統計・測定・評価」や「⑩犯罪・非行」は平均点が低いという噂。
統計は文系心理の民は苦手が多いし、犯罪は講義やらない大学も多いからかな
6科目受検で1級を取得した筆者の体感としては、B領域なら「⑨健康・福祉」が狙い目と思います。
他の領域よりも専門用語が少なく、勉強するにしてもとっつきやすいのが魅力。
意外と感覚で解ける科目だった
心理学検定のメリット・デメリット
心理学検定の目的は日心連でこのように定義づけられています。
「心理学の基礎資格として,大学院の入学試験,心理学関連の諸資格の認定,あるいは公的機関や企業等での専門知識の証明として利用されることなどを目指すもの」
しかし、実際は取得したからといって就職などであまり役に立ちません。
履歴書に書いても良いけどほぼ意味ない!
周りからは「心理学をちょっとかじった人」程度にしか思われないかと…(心理学検定ではブイブイ言えません)。
とはいえ「心理学の知識がある程度ある」証明にはなるので、職場によっては心理の知識を見込んで人事関連の仕事を任されたり相談されたり、一部大学院では入試時に何らかの措置として使えるなどがメリットです。
心理学検定の一番のメリットは、受検者の自信になることと言えます。
✓心理学に興味があって究めたい
✓心理職に就くための勉強をしたい
✓心理系大学院の受験勉強にしたい など
心理の基礎勉には最適!
特に、臨床心理士や公認心理師など心理学関連の道に興味がある人にとっては役立つ資格(知識)です。
筆者は大学3年時に、心理系大学院を目指すための肩慣らしとして受検しましたが、1級を取得したことで進学の意志がより固まりました。
「大学院も合格するわコレ」って自信もてた
資格・検定は取得で自己肯定感上がるね
大学院受験には、大学受験のような進学希望者も少ないためか模試があまりありません。
最近では心理学に特化した中央ゼミナールなどが模試を行うようになりましたが、やはり母数の少なさや大学院ごとに受験問題の特色が異なりすぎるため、正確な実力判定は難しいと思われます。
心理系大学院の受験や心理士を目指している人にとって、心理学検定で力試しをすることはおすすめです。
もちろん「心理学に興味がある」人にとっても自信や知識になるので受験をおすすめします!
心理学検定で自慢したい・カウンセラーになりたい人にはおすすめしないなぁ
心理職を目指すならこちら↓↓
心理学検定の勉強法
広く浅くな出題である心理学検定ですが、誰でも受検可能で独学での合格も十分可能な検定です。
「そんなに幅広くどうやって勉強するの?」と困る場合は、日心連が出している書籍を参考に利用しましょう。
\ まじでこれ一択 /
\ 一問一答派はこちら /
↑領域で異なるので注意↓
公式の過去問解けばだいぶ傾向と対策は掴めるよ!
出題範囲が幅広いといっても、取得したい等級によって受検科目は異なるため、受検予定の科目から勉強し始めればそんなに多くはありません。
いきなり特1級を目指して勉強するより、1・2級など自分のできそうな範囲に的を絞れるので無理なくインプットしましょう。
また、問題集以外にも、心理学検定で出題されるキーワードについてまとめた参考書が公式から出ています。
\ 院試も兼ねたい欲張り派 /
ぶっちゃけこれで十分
『公式問題集』は過去問が形式も同じで載っていますが、『一問一答問題集』は4択マークになっていないので、より試験らしい勉強をするなら『公式問題集』がおすすめです。
『基本キーワード』は「内容が浅くて使えない」のような口コミが一見多いですが、心理学検定で問われる内容は広く浅い範囲なので問題ないかと。
まずは多くのキーワードを覚えることが大切!
いきなり問題集を解いても撃沈するので、『基本キーワード』で用語を何となく覚えてから過去問に挑戦する方法が一番効率的かと。
出題分野が多い分、1つずつ深めながら勉強すると間に合わないかもしれません…。
専門用語を何となく覚えたら過去問でパターンを覚えていく方がおすすめ。
悩んだらその順でやってみてください。
各科目の合格目安は6割だから、参考書籍で7~8割理解するつもりで
合格だけなら受検する科目のみで十分ですね。
心理学を勉強していた筆者の場合ですが、心理学検定1級取得には1~2ヶ月の勉強期間を設けました。
高校生や他学部など、心理学の勉強が乏しい場合は3~4ヶ月や半年程度は勉強できると良いかと思います。
心理学部生であれば参考書籍のみで十分ですが、独学の場合は心理学の概論を1冊読んでおく方が理解度は増します。
\ 心理の入門良書 /
心理学の概論書はいくつかありますがお堅く「結局どういうこと??」と突っ込みたくなる本が多いですが、こちらはしっかりと広く浅く解説できています。
読みやすくて、概論書の中でも安価なのも魅力なので、心理学を勉強してみようって人は参考にご覧ください。
その他勉強に関する記事もチェック
おわりに:心理学に興味ある人は心理学検定に挑戦する価値あり!
心理学検定は誰でも受検可能で、合格すると心理学の基礎を学んだ証明になります。
等級はこの通り。
・1級…A領域から4科目+2科目
・2級…A領域から2科目+3科目
受検料は個人か団体、何科目かによって変わるため日心連をチェックしましょう。
心理学検定を取得することで具体的なメリットは正直ありませんが、心理学を究めたい人や、心理系大学院を受験予定の人は力試しに最適です。
▼心理学検定の参考
◎メリット
・心理学の基礎を学んだ証になる
・心に関する自己理解が深まる
・興味ある人にとっては自信になる
・気になる分野のみ勉強できる
・一部大学院の試験免除の場合がある
△デメリット(?)
・就職に有利になるわけではない
・履歴書に書けるが…(特に…)
・心理職に就けるわけでもない
自分の心理学知識の自信になるよ!
合格率は全体で見ると50~60%程度で各科目は6割が目安なので、受検予定の科目から対策しましょう。
受検勉強に困ったら、日心連から出ている『基本キーワード』→『公式問題集』を最低限7~8割覚えるように暗記するのがおすすめ。
\ 過去問しか勝たん /
\ ノートまとめ派は必読 /
筆者は院試も見据えて、キーワード集は買ったよ
広く浅く心理学の基礎を学べば、心理系大学院への道はあと少しです。
『基本キーワード』でも「?」となる人は別の心理学概論で予習もあり
検定・試験はドキドキするものですが、どうかあまり力まず受検生の皆さんファイトです!
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