こんにちは、臨床心理士・公認心理師のしあんです。
日常生活で、営業や仕事で、恋愛関係で、色々な場面で発生する人とのやりとりでこんな経験はありませんか。
✓お願いや主張がなかなか通らない
✓自分の発言に説得力がないと感じる
✓言いくるめられやすい など
・カリギュラ効果
・フット・イン・ザ・ドア法
・ドア・イン・ザ・フェイス法

たまに心理学かじったワルに変身します

精神攻撃は得意(ゲス)
・営業など仕事で使えるテクニックを知りたい
・恋愛の駆け引きを成功させたい
・自分の主張を今より通せるようになりたい
・日常で使える心理学を勉強したい
心理学でいう説得(persuasion)とは
社会心理学の観点より、説得とは、意図的なメッセージを相手に送ることで、相手の意見や行動を変えることです。

そもそも真っ向勝負はただの懇願
相手の意見や行動を変えるためには、あなたが相手の気持ちを想像したり、共感を得たり、時には情に訴えたりひと工夫いるということは理解しておきましょう。
ちなみに、説得について読みやすく面白い本はこちら。
説得もとい、洗脳の代表例であるカルト集団などを切り口に洗脳されそうな本です。
まず説得の初歩として、説得する側(あなた)の要素が関連する「スリーパー効果」からみていきます。
スリーパー効果

新米しあん「ぼくと契約して今すぐ魔法少女になってよ」

魔法少女量産闇しあん「ぼくと契約して今すぐ魔法少女になってよ」
あなたならどちらのしあんを信頼できますか?

これはたとえが悪い
魔法少女量産闇しあんの方が経験ありそうで、まだ信頼できそうですよね。
同じメッセージを送るにしろ信頼できる方が説得力がありますが、正直専門家や地位ある人の発言の信頼ってその場限りが多いです。
スリーパー効果は、①信頼性の低い人からのメッセージでも時間が経てば説得力が増す効果と、その逆で②高い信頼性で説得力があったメッセージでも時間が経てば反発したくなる効果を指します。
①信頼性(低)→説得力増す
・第三者から『そんな彼氏別れなよ!』ときつく言われて納得いかなかったけれど、数日経てば「別れる方がいいかも…」と納得できた
・部下から仕事で意見されて「生意気な奴め」と無視したが、時間が経つと部下の意見を理解できると思い始めた など

時間を味方につけて信頼を得ていけばいいってことか
②信頼性(高)→説得力減る
・成績優秀な先輩から『こうすれば絶対うまくいくって!』とレクチャーされて最初はやる気だったけれど、よく考えたら自分のスタイルに合わないと感じ始めた
・既婚者から『今ゴールインしないと子どもは難しいよ』と言われてその通りだと思ったけれど、なんだか納得いかない など

「偉そうにして…」とか反発したくなるのかな?
・実績や自信のない人は、その場で答えを求めるよりも「また今度聞かせてよ」など時間を味方につけて信頼を得る方が説得しやすい

押しが弱いなら、外堀をいい感じに埋めていこう
説得がうまくいかない場合…心理的リアクタンス
説得がうまくいかないときの心理も解説します。
説得というより、禁止や強制を匂わす態度で接すると人は反発心が働きやすいです。
・外回りで一切寄り道するなと禁止される
・パートナーの浮気が心配だから「男の人とは誰とも会っちゃダメ」と伝える など
自分の行動や態度を制限されると感じたり、自由を奪われそうな場合に自由の回復を目指そうとするのを心理的リアクタンスと言います。

正しそうなことでも言い方一つで従いたくないよね
人は他人から縛られるのが嫌な生き物ですし、説得の際は自分で選べるように仕向けるのもポイント。
・営業目標達成できれば好きに動いていい
・異性でも友だちと会うのは容認する など
心理的リアクタンスを減らすために提案を2つ以上用意してみるのは常套手段ですね。

キツめの提案なら飴になる提案添えよう
ほかにも心理的リアクタンスは「怖いもの見たさ」の心理にもかかわってきますよ。
カリギュラ効果
カリギュラ効果は、禁止されるほどやりたくなる心理効果です。

ツルの恩返し「絶対見ないで…」

フラグ!
・本気で◯◯したい人以外絶対見ないでください
・会員限定です(会員以外は見れない)
・絶対真似しないでください など
心理的リアクタンスが働くと自由を回復させたい気持ち以外にも、不自由にさせられることへのストレスが強まります。
ストレスフルな状態から解放されたい心理なので、「禁止されるとやりたくなる」欲求は抑えがたいもの。

背徳感も最高(ゲス)
説得において強制を仄めかしたり禁止は避ける方がいいです。

「浮気しないでね」は効果ゼロ!

がーん

しあんの経験でもこの方が止まったな

効果切れの頃に浮気?されたけどな
フット・イン・ザ・ドア法(段階的要請法)
受け入れやすいことをまず承諾させて、段階的に大きなことも承諾させていくことをフット・イン・ザ・ドア法と言います。

セールスマン御用達その①
・安価な小物をおねだりで買ってもらいながら、徐々にブランド物のおねだりへ移る
・「5分だけお話お願いします!」→「無料サンプルあるので是非!」→数日後「いかがでした?」契約へ など
小さなことから「イエス」を重ねると人は断りづらくなっていく心理をついています。

外面保ちたがりに効果抜群
なので、外面を気にしない人(身内)には効果は薄いかもですね。
初対面や関係の薄い人に対して、こころの扉をこじ開けていくにはぴったり。

身内とか関係できてる人は次の手法の方がいいかも
ドア・イン・ザ・フェイス法(譲歩的要請法)
受け入れがたい大きなことをまず拒絶させることで、次の小さなことを拒絶しにくくすることをドア・イン・ザ・フェイス法と言います。

セールスマン御用達その②
・「この仕事(面倒くさめ)お願いしたいんですけど…」→「ではこちらの作業だけでも…」と頼む
・「海外の本場ディズニー行きたいなぁ」→「東京ディズニーで十分だよ!」で行く など
譲歩してもらって別の提案までしてくれたからには、その期待に応えてあげたいというお返しの気持ちを逆手にとっています(返報性の原理)。
最初に断ってもらう要求は、無謀すぎると相手の神経を逆撫でしてしまう可能性があるので、「通ったらラッキー」くらいのお願いを提示するのがポイント。

最初の要求設定がミソ
また、「もう少し値引きしたら契約します」など相手から譲歩案を提示してきたら、かなり気持ちを掴めている証拠ですよ。
「私が決めたんだ」と相手に思わせるために可能なら譲歩に乗るのもあり。

手のひらで転がされているとも知らずにな
ある程度信頼関係があれば、おだてるももちろん効果的。
おわりに:相手を優位に立たせていると思わせるのが大事
友だち、身内、恋人、クラスメート、職場の人など、人間関係は日常生活で必須です。
会話の中で自分の要求がなかなか通らない人は、
✔︎言い回しや内容が強制を匂わしたり禁止している(「〜は止めて!」など)
✔︎相手に決めてもらうタイミングが不適切(「3分で支度しな!」など)
こんな共通点があります。

駆け引き上手くいかない人は改めて自分のやりとり振り返ってみて!
人は不自由を感じると自由になりたくなったり、ストレスフルな状態から解放されたくなる反動が強いため(心理的リアクタンス)、言い回し、内容、タイミングはかなり重要。
強制形や禁止など強い言い回し、内容は説得にならないので要注意。
・何かの経験者や専門家などはじめから信頼を得やすい人は、頼み事ですぐ相手の返事を求める方が説得しやすい
・一般人や初対面などはじめから信頼を得にくい人は、時間をおいて相手に判断してもらう方が絶対しやすい

説得の前に信頼を得るのも基本
・初対面や外面を気にする人にはフット・イン・ザ・ドア法
→小さなお願いで「イエス」を重ねて、後の大きめなお願いを断りにくくさせる
・身内や恋人など信頼関係できている人にはドア・イン・ザ・フェイス法
→最初に大きなお願いを断らせて、後の小さめなお願いをのませる
説得は、させるというより相手に決めてもらう感覚がポイントなので、こちらから2つ以上提案したり積極的に譲歩する方が効果的です。

めげずに提案し続ければ何かは通る
相手が「得した」と思わせるため、『説得に応じてくれたらこんなメリットがあるよ』ということを伝えましょう。
今何か意見を通したり説得したいあなたは、相手との関係はどうか(仲が良いならドア・イン・ザ・フェイス法で早めに返事をもらう。これから関わる人ならフット・イン・ザ・ドア法で時間をおいて返事をもらう)をまずは見極めましょう。
説得(洗脳)についてもっと勉強したい人は是非こちらの本を読んでみてくださいね。

強要ダメ、絶対
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