こんにちは、臨床心理士・公認心理師のしあんです。
「類は友を呼ぶ」という言葉がありますが、あなたの身の回りはどうですか?
✓類友ばかり
✓意外と正反対な人と気が合う
✓自分と合わない人はまじムリ
人間いろいろいるので、正直どんな人とつるんでもおかしくないですね。
今回は「類は友を呼ぶ」のは本当なのかを心理学的に解説しつつ、人から好意的に思われる(人を好意的にみれる)ポイントも紹介します。
本記事を読むと人から良く思われたり、気になる異性に近づいたりするヒントが分かるので、人間関係や心理学に興味がある人は最後までご覧ください。
こんな人におすすめ!
・「類は友を呼ぶ」のか知りたい人
・人間関係を良くしたい人
・好印象をもたれたい人
・自分と正反対な人でも仲良くなれる理由が気になる人
・心理学に興味がある人
\ 人間関係良くし隊 /
「類は友を呼ぶ」のは本当?
まず、「類は友を呼ぶ」の意味を確認しておきましょう。
気の合う者や似た者同士は、自然と集まるものだ、ということ。
コトバンク(R4年1月16日閲覧)
確かに、自分と共通点があったり考え方が似ていたりすると近づきたくなりますね。
友人関係・恋人関係でも気の合う人と付き合うことが多いのでは。
自分と似た人を好きになるって本当?
この「類は友を呼ぶ」は、類似性の法則という心理学効果が関係しています。
類似性の法則
類似性の法則とは、性別や学歴、言動、考え方など自分と共通点が多いほど魅力的に感じることを指します。
▼類似性の法則の実験例
例①被験者に事前に答えてもらった考え方をもとに、似た回答をいくつか作成。このことは被験者に知らせず、「他人の考え方です」と伝えて回答を読んでもらう。
→自分の考え方に似た回答を魅力的と答えやすかった
例②新しい寮に入った学生の友人選択について
→入居間もなくは隣など物理的に近い人と関わっていたが、2週間後には物理的距離があっても価値観や態度が似ている人と関わるようになっていた
実験からは、人は自分と態度や性格が似ていると感じると魅力的に感じやすいことが分かりました。
実際似てるかはともかく「似てるなぁと思う」とこがミソ
自分と態度や性格、考え方、価値観などが似ていると感じる相手は、自分の態度などを肯定してくれる場合が多いでしょう。
人は自分のことを肯定されたり「自分の考え方や価値観は正しいんだ」と確信したりすると、その相手に好意をもちやすくなるとか。
自分の考えなどに賛同してもらって自分の考えなどを正しいと思えることを合意的妥当性と言います。
自分を肯定してくれる人といるのは居心地良いから絡みたくなるよね
\ 共依存注意報 /
自分にないものに惹かれるのは?
類似性の法則がある一方で、自分と全然似ていない人同士でも仲良くなることもありますね。
SM関係とか?
結局人は、自分と似ている人を好きになるのか、それとも自分と似ていない人を好きになるのか。
結論どちらも正解で、自分にないものに惹かれることは相補性の法則で説明できます。
相補性の法則
相補性の法則はお互いを補い合う関係のことで、自分と似ていない人を好むことを指します。
・ワガママな彼女と面倒見の良い彼氏
・雑な旦那と几帳面な妻
・身長凸凹カップル など
一見すぐ離れそうな関係に見えて、意外と長続きするパターンもありえますね。
相補性の法則では、特に「面倒を見たい」vs「面倒見てもらいたい」など反発する欲求をもっていると考えられています。
お互い必要とするパターンだね
人間関係かみ合えば良し
【余談】人を苦手に思う類似性と相補性
余談ですが、類似性も相補性も人を魅力的に思う面もあれば人を疎ましく思う面にも関わっています。
・自分と同じうっかり屋さんが嫌い
・根暗な自分は明るい人といるのが苦手 など
自分のポジティブな面でもネガティブな面でも、自分のことを認めてくれる(合意的妥当性を感じられる)なら似た者同士は惹かれ合うかもしれません。
でも、「うっかり屋なあの人を見てると自分を見ているようで嫌」など、自分の嫌な面を鏡のように映し出されると無意識に苦手にもなります。
内心で自分のうっかり屋な一面を嫌に思えば思うほど苦手に感じるかも
投影ってやつな
\ 投影の復習 /
また、「根暗な性格がコンプレックス」のように劣等感を感じていると、自分にないものをもっている人のことが嫌にもなります…。
※筆者が頭良い人苦手なのは完全にコンプレックス
類似性も相補性もあくまで人間関係です。
「自分が相手と似てると感じる」ことも「相手が自分を認めてくれる・補ってくれる」ことも必要になります。
独りよがりな思いをぶつけても親密になれないことは覚えておきましょう。
他人から好感をもたれるには
「類は友を呼ぶ」ことは確かにあります。
自分と考えや価値観が似ている人とは気が合いやすいため、正直テコ入れしなくてもそれなりには好感をもたれるはずです。
なので、他人から好感をもたれたいという人は、良い人を演じたり相手の要求に答え続けたり良く思ってもらおうとするのではなく、相手と共通点をつくってみてください(そもそも「良く思われたい」の具体的行動がカオス)。
✓態度や考え方を似せる
✓相手の意見に同意する
✓相手の言葉で話す など
なお、強引に持ち物や見た目を似せるなどの露骨な共通点づくりは控えましょう。
外見のように目で見て分かる部分を真似されると嫌な人は多いはず。
よっっっぽど仲良くないとキツい
それよりも、相手の意見に「うん、自分も」と共感や肯定したり、オタク用語にはオタク用語で返したりする方が親しみを感じやすいでしょう。
自己紹介で出身地や趣味、好きな食べ物などを話して共通点を探しにいくのは常套手段。
類似性の法則に乗っかるなら、どれだけ親近感をもってもらえるかが鍵です。
「普通」「平凡」「ワーママ」などそれっぽい言葉を並べると確かに親近感がわく人もいれば、反感を買う場合もあるので営業したい人は気をつけましょう(この辺はターゲットを広くするか狭くするかによるかと)。
自分の好きや大事に思っている一面が似てれば最高だね
最近よくあるマッチングアプリの出会いでも共通点がある方がほっとするので、まずは共通点探しをしてみてください。
共通点で安心すると警戒心も薄れるよね
おわりに:人は認められたら嬉しいもの
人間関係は面倒くさいもので、似ている人を魅力に思うこともあれば嫌うこともあります。
「類は友を呼ぶ」ことは確かにあって、自分と似ている人といるのはどこか居心地が良いようです。
それは、自分を認めてもらえることが嬉しかったり、自分が感じる不安は大丈夫なものだと確信できる安心感だったり…。
自分を心理的に支えてくれる存在は魅力的なんでしょう。
人から好意的に思われたいなら、無理する必要はないですが相手のことを心理的に支えられると良いかもしれません。
・相手の態度や考え方を肯定する
・相手の意見に共感する
・相手の言葉遣いや目線に合わせる など
外見や持ち物を似せに行くなどの露骨な接近は、相手との心の距離を詰めすぎて引かれかねないので注意。
雰囲気ちょっと合うかもくらいが丁度良いかも
自分と似た面も正反対な面も、自分の捉え方次第で他人とつながる要素になります。
「こういう人は無理!」とか決めつけずにいろんな共通点を見出してみると、対人関係は広がるはずです。
コンプレックスにこだわり過ぎることなかれ
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