【日本の心理療法】森田療法、内観療法、動作法をざっくり解説! | サイコロブログ
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【日本の心理療法】森田療法、内観療法、動作法をざっくり解説!

日本の心理療法 勉強ノート
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こんにちは、臨床心理士・公認心理師のしあんです。

心理療法というと精神分析療法やクライエント中心療法、認知行動療法などがメジャーですが、実は日本で開発されて発展した心理療法もあります。

・森田療法
・内観療法
・動作法

今回は、日本発の心理療法について概要をざっくり解説していきます。

3大精神療法のような考え方とは違う視点なので、心理系大学院進学希望者は人名や内容をしっかり押さえておきましょう!

闇しあん
闇しあん

院試も資格試験にも出るぞ

しあん
しあん

知らない人は最後まで見て勉強DA!

こんな人におすすめ!
・心理療法をあまり知らない人
・森田療法って何?
・内観療法って何?
・動作法って心理療法なの?
※心理系大学院進学希望者は必須!

日本発の有名な心理療法

石と砂

日本独自と言われている心理療法でメジャーなのは以下3つです。

・森田療法
・内観療法
・動作法

対面で座って傾聴するような、一般的にイメージされるカウンセリングとはどれもちょっと違う変わった心理療法です。

上記を専門で行っている心理士・現場は少ないイメージがありますが、心理の勉強をする上では欠かせません。

しあん
しあん

日本発なら日本人に合ってそうだね

実践の有無はともかく、考え方を知ることでクライエントへの支援の幅が広がるので、心理職は最後まで要チェックです。

森田療法とは

座禅する僧侶と猫

森田療法は、森田正馬まさたけが考案した神経症や社会恐怖に対する心理療法です。

闇しあん
闇しあん

過去の筆者へ…もりた「しょうま」じゃないぞ

森田療法の対象となる神経症者は森田神経質と呼び、自分の心身への関心が高く敏感で、調子を崩しやすい(心気症傾向・ヒポコンドリー気質の)人を指します。

ヒポコンドリー気質は、明確な異常はなくても心身に異常があると思ったり病気ではないかと気にしたりする神経質な性質のこと

\ 他の代表気質アリ /

森田療法では、自分の調子に敏感で病的と捉えやすい森田神経質の人に、心身の病気を気にさせるような機会があって自分の心身への関心がさらに高まるほど、不快な状態が増しやすいと考えます。

精神交互作用の例

▼例
心配性な人が「不安になっても仕方ない…!」と思うほど不安な気持ちにとらわれて余計不安にある

このように、心配な心身の感覚+心身への関心による悪影響を精神交互作用と言います。

闇しあん
闇しあん

まさに悪循環…!

神経質になっていることをどうにかしようと思っても余計に神経質になってしまうため、森田療法では不安や緊張をどうにかしようとせず、「不安や緊張を感じるのは自然なことなんだ」とあるがままの自分を受け入れるスタンス。

あるがままの自分を受け入れて精神交互作用の悪循環を絶てたら、「より良くなりたい」という性への欲望エロスを引き出して、良くなるにはを考えていきます。

しあん
しあん

エロス…!(まじ)

もともと1ヶ月前後の入院治療前提で以下のような流れでしたが、近年では外来で行われることも。

第1期:絶対臥褥がじょく
第2期:軽作業期
第3期:重作業期
第4期:生活訓練期

森田療法は禅の考え方がバックボーンにあり

第1期:絶対臥褥期

絶対臥褥期では、1人隔離して食事や排せつなどの生理的活動以外の一切を制限し、横になり続けることになります。

闇しあん
闇しあん

少しならやりたひ(でもずっとは飽きそう)

不安や緊張を感じても寝る以外何もできないため、そういった感覚であることに少しずつ慣らしていくことに。

しあん
しあん

修行僧??

「寝る以外何かしたい…」と活動意欲が出てきたら次の段階へ。

第2期:軽作業期

軽作業期では、写経や日記をつけるなど1人で行える軽作業を開始し、臥褥は1日7~8時間程度とします。

段階的に制限が緩和されるため、他にやりたい活動があってもこの時期は軽作業のみに。

第3期:重作業期

重作業期では、寝る以外何かしら活動し続けることになり、娯楽など自由な時間も可能になります。

運動や掃除など身体を使う作業が中心で、日記は継続。

第4期:生活訓練期

生活訓練期では、日常生活に帰ってとらわれのない生活を送れるように練習します。

治療側は不安や緊張などの原因を追究しない「不問的態度」で関わっていく

しあん
しあん

不安は感じたっていいの byしあを

内観療法とは

写経

内観療法は、浄土真宗の「見調べ」(自分を振り返る作業)を参考に吉本伊信が考案しました。

自己啓発や悩みの解決のほか、神経症、アルコール・薬物依存などに効果的とか。

流れとしては、両親や配偶者、子どもなど身近な人たちとの関わりに対して、以下の内観3問をひたすら思い出す作業をします。

▼内観3問
・世話になったこと
・して返したこと
・迷惑をかけたこと

しあん
しあん

(意外と大変そう…!)

これまでの関わりを内観し続けることで自他への理解が深まり、人への信頼を回復して肯定的な気づきができると期待されています。

内観療法には、道場のような場所で数年間隔で内観する時期を決めながら、面接者に回想したことを報告していく集中内観と、1人でやる日常内観があり

動作法とは

人形

動作法は、成瀬悟策が考案した、身体に焦点を当てた行動変容法です。

もともと脳性マヒ児の肢体不自由を改善する目的動作訓練が開発された。動作訓練は障がい児などの不自由な動作の改善、動作法は人の行動変容が目的で区別

ここでいう「動作」とは、①身体を動かすこと、②思うような運動を実現しようと努力する本人の心理面を指します(意図-努力-身体運動と図式化される)。

しあん
しあん

心理療法って基本対話でお触りNGだけど身体使うのもあるんだね

動作法には主に3つの訓練があります。

訓練名内容
弛緩動作訓練各部位ごとの筋緊張を緩める練習
単位動作訓練緊張が発生しないよう身体を動かす練習
基本動作訓練書字や歩行などいろんな部位を使った動きの練習
しあん
しあん

スモールステップな印象

闇しあん
闇しあん

(この辺はふーんって理解でよっぽどOK)

おわりに:心理療法は話を聴くだけじゃない!

ハートを手渡す様子

心理療法というと、海外発の印象、傾聴や分析のイメージを抱きやすいですが、実は日本発のものや身体を使ったものもあります。

今回解説したのは以下の3つ。

・森田療法
・内観療法
・動作法

森田療法では、不安な感情は自然だからあるがままに生きようと。

内観療法では、身近な人たちとの関わりを振り返ると人間への理解が深まってどこか肯定的になれるよと。

動作法では、身体を思い通りに動かせるようになろうと。

焦点やアプローチは違えど、より良く生きることを目指すのは共通しています。

また森田療法と内観療法では、落ち着いた場所でこれまでの自分や身の回りについて振り返ったり日記をつけたりしています。

自分や1日について振り返る時間を設けて紙に書き出すだけでも気持ちを落ち着かせやすいので、不安な人は試してみてください。

\ 好きなノートを探そう /

心理士目指すなら自分の軸となる理論を探すことも大切ですが、いろんな考え方を吸収して柔軟な対応ができるようになるといいですね。

しあん
しあん

勉強お疲れ様ー!

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