【心理学】夢分析と夢の解釈法とは

こんな人におすすめ！
・夢や夢分析について興味のある人
・いつもめちゃくちゃな夢を見て、夢の意味が気になる人
・夢の解釈について知りたい人

夢とは

まず、謎に包まれた夢についてですが、現状はっきりしたことはわかっていません。

夢（ゆめ）とは、 睡眠中あたかも現実の経験であるかのように感じる、一連の観念や心像のこと。睡眠中にもつ幻覚のこと。（Wikipedia．2021.1.1）

夢は睡眠時にいつも見ているものの、思い出せないことがほとんどだとか。

分かっているのは、レム睡眠中に見ている夢は思い出せるということです。

夢について分かっていることは少なく、思い出せる夢もめちゃくちゃだと一見意味ないように思えますね。

ですが、夢は日々起きた出来事をやストレスを脳が整理するために見るとも言われています。

意味不明な夢でも、実は自分の記憶からランダム抽出した内容だと思うと、しっかり振り返れば意識的にも思考や気持ちの整理が進みそうですね。

夢分析の心理学的な考え方

夢や夢分析について心理学的観点から言うと、S. フロイト派とC.G. ユング派の2つの学派があります。

広義の意味で「無意識」に注目した2人の考え方は、全くの別物というより似ている部分が多いので、夢分析は好きな方によって考えてみていいと思います。

S. フロイトの夢分析

精神分析学の祖であるS. フロイトは無意識に注目しています。

S. フロイトの夢分析の考え方は「夢には無意識が現れる＝夢は自分の欲求の象徴ではないか？」です。

▼例
本当は欲求不満で性的なことしたいけど我慢（抑圧）
→「自分は勇者で、大きな剣を持って冒険に出る。旅先の洞窟にはお宝がたくさんあり、自分はお宝ゲットで良い思いをした」という夢を見て、欲求不満が現れた。

S. フロイトの解釈だと、剣や棒など縦長なものは男性器、洞窟や壺などくぼみがあれば女性器など象徴として見立てることが…。

意識にあがってくることは知覚できる＝考えたり意識的に分析できることと考え、夢には不満や葛藤などが現れると考えた立場です。

C.G. ユングの夢分析

S. フロイトを支持していたものの、その考え方に疑問をもって道をたがえ分析心理学をはじめたC.G. ユングは、無意識を個人的無意識と集合的無意識の2つに分けて注目しています。

＼　要復習　／

ざっくり言うと、C.G. ユングの夢分析は「夢には性的以外の内容も現れるのでは？」とし、「人類が共通してもつ集合的無意識からメッセージを受け取っているのでは」と考えました。

▼例
夢：ただの村人が小さな棒を持って旅に出た。怖がりながらも山や谷を越えたが、突然暗闇になり、そうかと思えば賑やかな街にいた。
→思春期前の男の子の夢で、第2次性徴が始まりだして無意識に体の変化に怖がっていた。

C.G. ユングは拡充法といって、夢を見た人と対話する中でどんどん連想していき夢分析に反映する方法もとりました。

人の意識は自分でコントロールしがちなため、自由に連想できる夢では意識できない本心にも気付けるのではないかと考える立場ですね。

夢の種類－補償夢

夢にはいろいろな種類がありますが、心理学的には補償夢が有名です。

補償夢は、現実では叶えがたい欲求や願望を叶える夢を指します。

▼例
・（ムカつく）上司を殴る夢－殴りたいほどムカついている
・やたらと夢ではモテる―ちやほやされたい願望の現れ
・彼女以外の女性と付き合っている―彼女への思いに飽きが来ている　など

ちなみに、起きて欲しくないことを夢見てしまうのは逆補償夢と言って、気持ちが満たされているときほど不安になって見やすいと言われています。

夢の解釈方法

まず、夢分析といっても「必ずこうだ！」という正解はありません。

夢の種類や、象徴が意味することから分析するのも確かに大事ですが、夢を解釈するにはどういう状況だったのか、どういう気持ちだったのかなど、全体的に捉える方が解釈しやすいです。

1つの象徴にも意味はありますが複数の意味があるので、「○○だから××！」のように安易な断定的解釈はあまりおすすめしません。

▼夢の象徴の意味例
・ステージ…今の自分のパフォーマンスや自己表現。自己顕示欲。現実逃避
・ガソリンスタンド…心身の休養（を求めている）
・自分が有名歌手になる…変身願望。恥ずかしさや遠慮の強さ　など

個人で夢を解釈する場合は、以下のような流れで向き合ってみると一見めちゃくちゃな夢でもその意味を少し紐解くことができるかも。

①夢の内容を詳細に書き留めてみる（状況や気持ち、言葉、色など）
②夢に出てきた物・人などに対して自分が連想することも書き出す
③夢辞典・辞書でアイテムの意味や性質を知る
④昔話や神話などフィクションに似た内容なら、それらになぞらえてみる
⑤最近の日常での困りごとと照らし合わせてみる

特に、①の夢の詳細を書き留めていくことは夢を解釈するにあたって基本になります。

話の流れがめちゃくちゃでも構わないので、覚えている限りを起きてすぐメモしてみましょう！

意外とこれだけでも「りんご、血が出た、信号…『赤』が多いなぁ」や「ドア、宝箱、鍵…『開ける』がキーワード？」など関連性が見えてくることも。

また、いきなりアイテムの象徴を調べず、自分なりのイメージも書き留めておけると解釈の参考になります。

「ウサギ」1つでも「小動物が好き」「図太く見えて苦手」「小学校時代に飼っていた大切な存在」など人によってイメージが異なるので、自分の中での意味を見出しましょう。

夢辞典でアイテムの意味を調べるのは後からでOKです。

普通の辞典などで改めて物・ことの性質を知るのも手掛かりになります。

「フェレットが夢に出てきたけどフェレットって何だっけ？と思って調べたら肉食の小動物か！」と分かれば、『肉食』がキーワードになるかもしれません。

その他、日常での問題と照らし合わせてみると、意外と夢と関連したり、問題に対する本心やヒントが得られることも多いです。

こうしてめちゃくちゃな夢の内容に向き合っていくと、意外と自分にとってのキーワードが見えてきたり、「もしかしたら今の問題にこういう意味・思いがあるかもしれない」などと、現実を捉え直すきっかけにもなってきます。

おわりに：夢をメモして連想ゲームしてみよう

心理学的な2つの観点から見ても、夢は人の無意識が強く現れていると考えられます。

寝る前に考えすぎたことが夢に出るなど少しのコントロールは効くようですが、基本は無意識の領域です。

▼夢の解釈ステップ
①夢の内容を詳細に書き留めてみる（状況や気持ち、言葉、色など）
②夢に出てきた物・人などに対して自分が連想することも書き出す
③夢辞典・辞書でアイテムの意味や性質を知る
④昔話や神話などフィクションに似た内容なら、それらになぞらえてみる
⑤最近の日常での困りごとと照らし合わせてみる

夢のストーリーは一旦おいて、まずはなるべく詳細に夢を書き出し、1つのアイテムや1つの場面へのイメージを馳せてみてください。

とにかく、アイテムだけで安易に判断しないように気をつけましょう！

夢でどんな気分になったかや、どんな状況だったかをしっかり思い出し、自分なりのイメージを書き留めていくことが大切な作業です。

解釈することで自分なりに気をつけたいことや、問題に対してどんな気持ちなのかを知るきっかけにもなります。

連想の中で気分が悪くなる人もいるかもしれません。

トラウマ体験など自分にとって苦しいことは、1人で無理に振り返らず誰かに頼ったり放置したりするのもありです。

夢は、自分が認識したくない気持ちを上手に消化している可能性もあるため、何でも解釈しようと躍起にならなくてもOK！大体でいいんです！

何度も見る夢や解釈が気になる夢は、人に話しながら解釈してみるのもおすすめ。

夢を見たら、まずは細かくメモしてみてくださいね。

良いことでも良くないことでも、自分をまた1つ知るヒントになります。

参考資料

夢辞典はWeb上での検索も可能ですが、主にユング心理学の夢に関するおすすめ書籍はこちら2冊です。

＼　夢分析ならコレ　／

＼　無意識の基礎に！／

特に2冊目は文庫サイズで読みやすく、分かりやすいので、心理学初心者にもおすすめな1冊です。

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