こんにちは、しあんです。
今回は心理系大学院の修了(予定)生や臨床心理士・公認心理師を目指している人に向けて、心理士の主な仕事や就職先について解説していこうと思います。
✓心理職ってやっていけるの?
✓どれくらい稼げるの?
✓生活スタイルはどんな感じ?
あくまで一例になりますが筆者の経験談も紹介します!
筆者は常勤も非常勤も経験あるから多少は参考になるはず…!
正直、心理職の進路や働き方ってものすごく多様なので、今回はざっくりといきます。
こんな人におすすめ!
・心理士としての就職先・進路が気になる人
・心理士の働き方が知りたい人
・どんな仕事内容なのか知りたい人
・心理士の就活事情を知りたい人
心理職の仕事内容
医療や教育、司法など働く領域によって仕事内容は変わってきますが、心理士の業務の基本はカウンセリング(面談)で、患者やその家族などの相談や悩みをきくことになります。
カウンセリング以外の仕事は、掃除などの雑務から専門的業務まで領域によって本当に様々。
・心理検査を実施してその報告書を作成
・保護児の世話や心理教育
・職場内で人間関係について話し合う
・災害支援で現地に赴き支援
・精神的な病気を知らない人に知識を伝える など
筆者は座り仕事が多くて肩・首が痛い
営業で出張に飛び回ったり、上司にへこへこ頭下げたりはあまりない印象です。
サラリーマン・OLと違って職場に心理士が1人しかいないなんてことはよくある話なので、自分の専門分野についてきちんと勉強しておくのも仕事の一環といえます。
心理士がいたとしても2,3人とかなので、よく言えば個人プレーで伸び伸びやれる、悪く言えば自己研鑽しないと仕事に不安を感じやすいかも。
孤独回避のためにも多職種とは連携を!
(心理士界、雑談を連携とか美化してる説)
なお、世間の求人にある心理職のほとんどは臨床心理士・公認心理師のもので、他の民間資格ではほぼ代用は効きません(産業カウンセラーとか例外はあり)。
臨床心理士・公認心理師以外の民間資格や検定は、就職というより自己理解に役立つと思ってください。
たとえば、メンタルヘルスマネジメント検定を学ぶと自分の心の健康を保つ知識を身に着けることができます。
臨床心理士・公認心理師以外にも、まずは入り口としてオンライン講座で心理学を学んでみることも十分ありです。
\ メンタルヘルスを知ろう /
大学院修了後の進路
臨床心理士の資格試験は大学院修了の年の秋に受験可能なので、修了直後はまだ資格がない状態です(公認心理師の試験の方が先)。
無資格で社会に放り出されるってまじ?
まじ!!
「資格がないのに心理職やれるの?」と思う人もいるかもしれませんが、そこは安心してください。
大学院修了後からメンタルクリニックでカウンセラーやデイケアで支援員、学校でスクールカウンセラーなど心理職に就くことはできます。
大学院でしっかり修業しているので患者さんもご安心ください
ただし、心理士の求人には資格必須や経験年数〇年以上など条件がある仕事も当然あります。
大学院卒で無資格の人が心理職に就く際は『臨床心理士資格取得見込み』という扱いですので、資格が取れるようにちゃんと勉強も並行しましょう。
資格取得見込みで就職した人が資格試験に落ちてしまった場合、退職させられるかについてですが、筆者の周りで退職させられた人はいません。ただし翌年合格のプレッシャーやいづらさは増すようなので、1発合格目指しましょう
心理士のたまごの就活は以下の3つ(4つ?)の方法があります。
①大学院での実習関連
これが一番希望があります。
心理系大学院の院生は在学中にどこかで実習をしますが、その実習先にそのまま雇ってもらえることがあります。
その選択肢を生み出すなら、実習先の関係者や先輩と友好的な関係を築きましょう(これには②に通じるメリットあり)。
専門職の就活って横のつながりがでかい
②教授や先輩などのツテ
教授の顔の広さや先輩との関係性にもよりますが、これもそこそこ希望があります。
先に挙げた①実習先の関係者や先輩から、別の求人を紹介してもらえることも。
筆者も実習先の先輩から2件ほどお話聞けてありがたかったなぁ
断ってたけどな
こういったツテの何が一番魅力的かというと、採用にあたっての面接がなかったり軽い顔合わせで済みやすいことが挙げられます。
大学院の先輩・修了生と関係をもったり、研究会に顔を出すのもある意味就活ってことですね。
つながりを大事にする界隈なのでコミュ力は強みになります。
コネ採用ばかりだと自発性育たないとか弊害もあると思ってる
③自分で求人を探す
ツテじゃなくても個人で求人を探す就活もよくあります(てかこれが一般的)。
世間的な就活と違って合同説明会なんてないですし、マイナビなどに登録してエントリーシートを書く就活も心理士は基本的にしません。
気になる病院やクリニック、療育施設などのホームページを見たり、閲覧できるのであれば都道府県の心理士会の求人情報を見る必要があります。
求人があれば、電話したり履歴書を送ったりして面接や筆記試験を受けて採用です。
面接以外だと論述試験が主流
筆者の場合の進路
都道府県によりますが筆者の地域の場合、臨床心理士会は臨床心理士のみ入会可能だったので、院生は求人情報の閲覧不可でした。
行きたい施設で求人情報もあがらず、大学院・教授のツテも特になく(紹介されても希望でなく断って)…就職先がないままに修了しそうになって困りました(白目)。
そうだ。手あたり次第電話してみよう。
ということで、求人情報がなくても構わず「雇ってください!」って電話をかけて採用してもらいました(セルフ営業)。
よく周りから「すごいね」と褒められるエピソード
求人を締め切っていたりそもそも求人していない職場に電話をかけることになるので、迷惑に思われる可能性も否めないですが、何事も行動してみることが大事ということですね。
案の定、電話先では「心理士会の求人に載せたのに見なかったんですか?」と怪しまれました(求人見れないから当時はムカついた)。
セルフ営業するときは、なるべく簡潔に要件を伝えて履歴書を送付していいかを聞きましょう。
本当に自分がしたいことなら自分から動こうな
心理士のワークライフ
では、『仕事として心理士はやっていけるのか』についても軽くふれていきます。
結論は、可もなく不可もなくです。
自分がどんな雇用を選ぶか、どんな仕事をするかによるので何とも言えませんが、フルタイムで働けば修了後でも月収20万程度でしょうか。
院卒の割にはもらえないイメージかも
心理士の勤務形態は、毎日同じ職場に出勤する常勤と、週1~3回程度出勤する非常勤があり、全体的に見て非常勤の方が多い印象があります。
心理職は非常勤で掛けもつ人が多い
特に非常勤だとボーナスや社会保険の有無、確定申告の話など、お金に関する重大な話が関わるので個人でしっかり勉強することをおすすめします(院では教わらない!)。
常勤・非常勤でも一応生きていけるということは、自分のプライベートを考慮した働き方ができるということです。
心理職は感情労働といって、見えない心の疲弊が激しい仕事をします。
自分のメンテナンスのために週4日勤務を選ぶなど、ワークライフバランスを考えて働けると良いですね。
ミイラ取りがミイラにならないようにね
実際ミイラになった心理士はちらほらいるからなぁ…
正社員・常勤
いわゆる普通な社会人をイメージするなら正社員・常勤雇用を目指しましょう。
正社員・常勤なら社会保険にも入れますし、月給制で安定して働くことができます。
心理職の正社員・常勤って少ない噂もありますが、探せばあるのでご安心を。
毎日同じ職場に出勤するので安定した生活リズムを送りたい人におすすめです。
\クリニック体験談あります/
ただし、心理士は専門職なので普通の社会人と違って雇用に縛られない自由を得る選択肢もあり、その選択肢をなくす雇用でもあります。
〇生活リズム・収入の安定
〇社保、ボーナスありが多い
〇職場の状況が分かりやすい
△専門職ならではの自由がない
△当たり前だけど責任あり
△非常勤ほど募集が多くない
非常勤…パート/アルバイト・委託など
非常勤に社会保険は基本ないですが(職場の規模や勤務時間による)、掛けもつことで2領域以上にわたって働くことができます。
病院臨床もやりたいけどスクールカウンセラーもやりたいなど、非常勤なら個人のワガママを叶えやすいのが魅力。
▼働き方の例
病院勤務週4日+スクールカウンセラー週1日
クリニック勤務週3日+養護施設週2日+スクールカウンセラー週0.5日 など
\SC体験はこちら/
自分のやりたいことを好きにやれたり、求人が多いメリットや面倒くさい職場の人間関係や責任を最低限に抑えられるなどいいことがあります。
ちなみに、都道府県にもよりますがスクールカウンセラーの時給は3000~5000円くらいで正直魅力的…
委託として活動するなら開業することができるので、個人事業主として青色申告するなどだいぶ自由な働き方ができます(要勉強)。
アルバイト/パートの掛け持ちだと月収18~22万くらいとかそれ以下とか、稼ぎもいまいちになりやすいかもしれません。
あと月の収入差が結構あります!
〇自由に働ける
〇面倒な人間関係や責任は最低限にできる
〇2領域以上で経験を積める
△職場の状況が分かりにくい
△低収入になる可能性もある(時給だと月の変動が激しい)
△社保やボーナスはないことが多い(確定申告も個人)
また、独立する手も一応ありますが、独立するなら実績を積んでからの方がいいかも。
筆者の場合
大学院修了後は電話で自分の押し売りをしたメンタルクリニックにて、常勤雇用で勤務を始めました(週4.5日)。
周りの先輩心理士からみても筆者の職場は安月給と言われていましたが、諸々の手当てを含めて1・2年目は月収20~25万くらいでした。
資格取得後は心理士会の求人も無事見れるようになりました(笑)
スクールカウンセラーにも興味があったため、のちに常勤(週4日)+スクールカウンセラー(週0.5日)に変更しています。
理解のある職場でした!要相談大事です!!
仕事は周りからの紹介もありましたが、基本的には自分でやりたいと思えた仕事に応募して就くという流れでなんとかやっていけてはいます。
修了後はとにかく安定した常勤に就きたかった(就職不安だった!)
働きながらお金と心身の健康について考えて、個人的には社保雇用の範囲の常勤(週20~30時間)+非常勤や副業がベストかなと思っています(社保はある方が思考停止で便利)。
筆者は心理の仕事が好きですが、四六時中カウンセリングとなれば心が疲れてしまうときもあります。
心のリフレッシュという意味では2領域で働くのは空気が変わります。
また、常勤しながら全く関係ない接客業のバイトをしていた時期もありました(夢の週7勤務!元気!)。
メンタルの弱さを心配する人は、心理以外の仕事も取り入れてみると意外と落ち着けるかも。
お金の勉強も必要だけどよく分からんし心理士間で話したい
おわりに:就職は少しの個人プレーか多くの横のつながり
心理職の仕事内容は対人援助職なので、人の話を聴くことがメインです。
年収的には若手だと300~350万くらいで(400万いけば多分いい方)、臨床心理士・公認心理師として一応は暮らしていけるかと思います。
ただし、常勤・非常勤の差があったり、研修や勉強会、スーパービジョン(SV)などの自己研鑽で時間やお金が割と飛ぶので、手取り額は安めな印象を受けやすいかも。
就職は周りのツテが結構大事で、よく言えば縁がある、横のつながりをだいぶ重視する世界ということでしょうか。
一般的なサラリーマン・OLと違ってやりたい仕事を好きにできるという点は、臨床心理士として働くことでよかったなぁと感じます。
個人的には世間よりも出勤時間が遅め=よく眠れる点も心理士でよかったなぁと思います(9時~とか助かる)。
体感では残業全然ないし、よかったら目指してみてね
心理士の転職は珍しいことではないため、やりたくなったら常勤・非常勤に変わるもありです。
自分のメンタルやお金のことを考えて、健康に生きていきましょう!
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