こんにちは、臨床心理士・公認心理師のしあんです。
心理統計では必ず表・グラフを載せ、情報を読み取ることが必要になりますが…表・グラフの見方、どれだけ分かっていますか?
✓ヒストグラムって何ぞや
✓心理統計用語、ワカラナイ
さっぱり分かりません!
今回は、心理統計が絶望的に苦手な人にとって、最低限知ればOKな表・グラフについて解説します。
表・グラフを作成できたり読めるようになれば、ぱっと見で大まかなデータを知ることができたり、相手に簡潔に説明することができます!
グラフの説明中心な記事なので、気軽に読んでくださいね。
レッツ座学
度数分布表とヒストグラム
度数分布表は、あるデータをデータごとに区切って、各範囲に入るデータの個数(度数)をまとめた表です。
ヒストグラムは、度数分布表をもとにグラフ化したものを指します。
どちらもあるデータ集団を一目見て特徴が分かるように簡潔にまとめたものですね。
度数分布表は「そんなのあるんだ」、ヒストグラムは「しっかり覚えよう」で
例で実物を見ていくよ
階級は、データのグループ分けのことで、度数は階級内のデータの個数を指します。
元のデータを表にして整理したんだね
度数分布表でも元のデータより分かりやすくなりますが、ヒストグラムにして視覚化する方がより見やすくなります。
・データの中心はどのへんか
・飛び出ている変なデータがないか などが分かりやすい
ヒストグラムの補足
ヒストグラムは棒グラフに似ていますが、棒グラフと違って、グラフの間がありません。
グラフが連続しており、ヒストグラムは量的変数を扱っていることが分かります。
ヒストグラムのメリットは、ランダムに並んだ元のデータの数字を一発で見やすくし、データの間違いに気づきやすくなることと言えます。
上記の例でも、「0~10点」だけぽつんとグラフがあり、変だなということがぱっと見で分かりますね。
元のデータ見るのは面倒でもヒストグラムなら変なデータ(外れ値)がすぐわかるね
元のデータは本当にランダムに並んでるだけなので、データを整理できるだけでも大きなメリットと言えます。
ヒストグラムの種類
ヒストグラムにはおおよそのパターンがあり、パターンに当てはめてデータをある程度読み取ることも可能です。
ほとんど覚えなくていいと思うけど特徴は紹介するよ
①左右対称型
一般的な形で、階級の中央が一番多く、左右対称の釣り鐘型になるのが特徴です。
元のデータに一貫性があり、理想的と言えます(例なら国語のテストの難易度に問題はないと思われる)。
追々解説するけど『正規分布、68%』だけは覚え得
SD(標準偏差)についての復習はこちら!
②ふた山型
離れこぶのように盛り上がりが2つあるのが特徴です。
2つ以上のデータが混ざっている可能性や、中央値に間違ったデータが混じっている可能性があるおかしなグラフでもあります。
このヒストグラムなら元のデータ取り直しかも
③歯抜け型
データがでこぼこしているのが特徴的です。
単純にデータ数が足りない場合や、各階級の幅が細かすぎる可能性が考えられるため、データを多く取り直したり、各階級の幅を見直すことが望ましいです。
研究するにはそれなりのデータ数は必須
④離れ小島型
1つのヒストグラム上で2つのまとまりが見られるのが特徴的です。
別なデータが混ざっている可能性が疑われます。
離れ小島の方のデータにある程度の数が見られる場合は、予測していなかった要因で結果がでている可能性もあるため、再検討することをおすすめします。
離れ小島のデータが少なければ外れ値かな
その他、グラフが左右によっていたり、全部同じ数で凹凸のないグラフなども考えられますが、いずれにしろ元のデータを見直すきっかけになります。
おわりに:元のデータをまずは見やすく整理しよう!
卒論や修論など研究にあたって得た膨大なデータは、見るだけで拒絶反応が起こりますね。
そんなぐちゃぐちゃなローデータをパッと見て分かりやすくする表が度数分布表で、度数分布表をもとにグラフ化したのがヒストグラムです。
度数分布表やヒストグラムにすることで、全データのばらつきを瞬時に把握することができます。
心理統計に限らず、発表会・プレゼンなどでぱっと見でデータを示して、分かりやすくすることもできます。
理想的な釣り鐘型のヒストグラムを目指そう
ちなみに心理統計が嫌いすぎる人が多すぎて、こんな参考書が生まれたようです。
統計嫌いのための心理統計の本 統計のキホンと統計手法の選び方
統計基礎がつまっていて本当に最低限で済みそうですし、フローチャートもついて統計へのとりかかりがかなり気楽な1冊です。
これ1冊熟読すれば心理統計の基礎は問題なさそう。
現役時代にこれはまじで出会いたかった!
今日も勉強お疲れ様~
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