こんにちは、臨床心理士・公認心理師のしあんです。
「メタ」って聞いたことありませんか?
✓メタ発言
✓相手をメタる
✓メタバース など
実は心理学の中にも「メタ認知」という結構大事な考え方があり、勉強や仕事を効果的に行うヒントになったり自分で問題解決しやすくなったりします。
メタ認知の考え方を知ることで今より自分のことを知って活動しやすくなれるため、興味のある人は是非ご覧ください。
また、心理系大学院受験生にとっては押えるべき用語なのでしっかり意味を覚えましょう。
今よりインテリぶりたい人は要チェック
まぁ、賢くなった気分にはなれるな
こんな人におすすめ!
・メタ認知などメタの意味を知りたい人
・自分を客観視できるようになりたい人
・自己理解を深めたい人
・賢い自分を感じてみたい人
※心理系大学院受験生は必須
メタ認知(metacognition)とは
そもそも「メタ」という言葉は日本語での表現が難しいのですが、「高次の」とか「超越した」の意味があります。
メタ認知とは認知をより高いところから見た認知というイメージで、認知についての認知です。
はにゃ???
メタ発言なら銀さんがよくしてる
たとえば、徹夜して寝不足のまま緊張感のある面接に行く状況で自分をどう認知しているか聞かれるとして、「自分は緊張している」と答えたらそれがメタ認知。
「自分は寝不足だ」「眠い」と答えない場合は、『自分が眠気を感じていることを認知できていない』可能性があります。
もう1人の自分が自分の考えや状況を俯瞰してる感じかな
「ふーん、だから何?」って思う人もいるかもしれませんが(それは当時の筆者)、メタ認知があることで人は自分の状態や感じ方を自覚して、問題に向き合ったり適切な対処行動をとったりできるようになるので実はかなり大事。
✓「寝不足でパフォーマンスが悪い」と認知できるから睡眠を優先できる
✓「この勉強法は自分に合ってないかも」と認知して別の方法をとれる
✓自分の矛盾した気持ちに気づけて紙に書いて整理できる など
自分を認知できないと、寝不足こじらせて仕事でミス多発、向いていない勉強法を続けてただ苦行、自分の気持ちはぐちゃぐちゃで苦しい…なんてことにもなって困りそうですね。
己に注意を向けるべし
メタ認知力が高いと、困り事への対応力が上がったり自分をコントロールしやすくなったり、効率的な学習がしやすくなると言われています。
ゲームで言えば、ゲーム内の主人公(プレイヤー)は初見だと寄り道したり経験値稼ぎに苦労したりしますが、攻略情報を認知したプレイヤーなら最短でゲームを進めたり効率良い経験値稼ぎができるイメージ。
メタ認知に優れている人は賢いんです
メタ認知についてもっと詳しく知りたいって人は下記を手に取ってみてください。
専門書ってほどではなく割と安価で、読み終えれば「認知の認知」をかなり意識することができると思います(タイトル通り学習法についても結構出てきます)。
メタ認知を意識しやすくするためか、ちょっとくどいと感じる。
メタ認知と関連ある問題解決方法
メタ認知は、認知についての知識を指すメタ認知的知識と、認知を確認して制御するメタ認知的技能の2つに分けられます(多分用語はスルーでOK)。
メタのゲシュタルト崩壊(((
メタ認知的知識には、問題解決の方法(認知心理学でいう方略)であるヒューリスティックスとアルゴリズムという考えがあるので抑えておきましょう。
ヒューリスティックス(Heuristics)
ヒューリスティックスは、自分の経験則から意思決定をしたり問題解決を図る手法です。
自分の経験則を基にすることで、あれこれ考えずに大体の回答を素早く用意できるメリットがある一方で、認知的バイアス(偏見)から誤った回答にたどり着く可能性がデメリットとしてあります。
・数学の図形問題で困ったら補助線引いて考える(by筆者)
・「チョコレートは~明治♪」明治商品ばかり買う
・「初彼が浮気したから男はどうせ浮気するんだ」と警戒 など
困ったら直観派なイメージ
アルゴリズム(Allgorithm)
アルゴリズムは、コンピューターのように正しく適応すれば100%正しい結果につながる問題解決の手法です。
正しい結果にたどり着くためしらみ潰しに試す方法をとるため、かなりの時間がかかるのが最大のデメリット。
・数学の確率問題を計算せずに全て数える(by筆者)
・パスワードを忘れて思いつくものから順に入力
(正確なんだけど要領悪そう…!)
2つの違い
ヒューリスティックスとアルゴリズムは、どちらも困ったときの問題解決の方略です。
「自分はこっちが多い」とか読んでいて思った人もいるかもしれません。
2つのメリット・デメリットを知って活かしてみると問題解決をスムーズに行える可能性が高まるので、場面に応じて使い分けできるといいかも(別にできなくても問題はない)。
ヒューリスティックス | アルゴリズム | |
特徴 | 経験則を参考に考える | 決まったルールでしらみ潰しに考える |
メリット | 解決までがスピーディー | まず間違いがない |
デメリット | 間違うこともある | 解決までに時間がかかる |
ヒューリスティックスは経験をもとに考える方略なので初めてやることでも対応しやすく、アルゴリズムは条件が整っていれば対応しやすい特徴があります。
例:子どもが鍵を失くして部屋のどこにあるか分からない
→「いつもおもちゃ箱の中」なら目星をつけて探す方が速い(ヒューリスティックス)。「毎回バラバラ・初めてのこと」なら1か所ずつ探す方が確実(アルゴリズム)
沢山経験積めばヒューリスティックスの応用も利きやすいし問題解決能力爆上がりしそう
おわりに:自分に注意を向けて自分について知ろう
メタ認知とは認知についての認知です。
私たちは、寒い地域で「寒い」と認知できるからこそ暖をとるなど対処することができます。
つまりメタ認知があることで困りごとに対処したり問題解決したりが可能です。
些細なことかもしれませんが、メタ認知力が高いと自分の勉強方法をより合うものに変えたり、効率的な行動をしたりして目標を叶えやすくなります。
かっけー!
メタ認知をした上での問題解決の方法(方略)として、ヒューリスティックスとアルゴリズムがあります。
ヒューリスティックスは経験をもとに直観的に問題解決をし、アルゴリズムはしらみ潰しに対処して確実に問題解決する方法です。
予測や計算できる問題に対してイチから試したり、初めてぶつかる壁に対して当てずっぽうに試していては効率が悪いので、ヒューリスティックスとアルゴリズムは上手に使い分けられるとスマート。
効率的な活動をするには自分を知ることが第一歩です。
✓思ったことを書き出してみる
✓一言でも日記をつけてみる
✓自分の気持ちを人に話してみる など
自分を客観視する機会をつくって、自分の感じ方や捉え方、状態を認知するようにしましょう。
勉強も人の話も分かった気になっているけど実際は「分かっていない」奴~。分かっていないを認知しないと分かることができないぞ~
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