こんにちは、臨床心理士・公認心理師のしあんです。
あなたはどんな行為が虐待か、虐待に対してどうすればいいか知っていますか?
✓虐待って殴ること?
✓ネグレクトも虐待なの?
✓虐待を知ったらどうすればいいの?
今回解説していく『虐待』は根深く、定義づけの難しい問題ですが、どんな行為が虐待になるか分からない人って多いと思います。
本記事では虐待の具体的な行為や通告について知ることができます。
心理系大学院や心理士を目指す人にとっては必須の知識で、そうでない人にとっても虐待を止める予防知識になるので最後までご覧ください。
何か感じることがあれば信頼できる周りに吐き出してね
こんな人におすすめ!
・虐待について知りたい人
・「もしかして虐待…?」という心当たりのある人
・子育てに不安があるパパママ
・心理士や教育関係に関わる人
※心理系大学院受験生は必須!
虐待(abuse)とは
実は、虐待は対象も行為も幅広いことを指し、明確にこれが虐待!とは定まっていません。
虐待とは、繰り返しあるいは習慣的に、暴力をふるったり、冷酷・冷淡な接し方をすることである。
具体的な内容は様々で、肉体的暴力をふるう、言葉による暴力をふるう(暴言・侮辱など)、いやがらせをする、無視をする、等の行為を繰り返し行うことをいう。(Wikipedia(R3年1月31日))
繰り返し、嫌がらせをして、相手を傷つけることが良くないのは分かりますね。
よく聞くのは子どもに対する児童虐待ですが、配偶者や親族から攻撃されるDV(Domestic Violence)や、子どもから親への家庭内暴力も虐待に含まれ、動物に攻撃すれば動物虐待です。
虐待の背景には、共依存と言う心理が働いていることが多いと言われます。
互いに依存しあうこと。
片方は過保護に何でも許してくれる相手に依存し、片方は「依存されている=必要とされている」ことに依存してしまう。
虐待ははたから見ればいびつな関係性ですが、本人同士ではそのいびつさに気づきにくい特徴もあるため、第3者を交える対応が有効的です。
恋は盲目
冷静に話をする機会が大切だね
また、幼い頃に虐待経験があると、親になったときに自分の子どもに虐待をしてしまう可能性が高まると言われています(世代間伝達)。
100%やるってわけじゃないよ!
親の「しつけ」を見てきたらそれが普通だと思いやすいよな…
虐待に限らず、子育て相談のできる環境がなかったり、子どもの特性に困ってきつく当たってしまうなどもありえます。
虐待でもそうでなくても、人と関わる際には相談できる友人や家族、公的機関を確保できるといいですね。
\ 1人で抱え込む前に相談を /
児童虐待の4種類
今回特に解説する児童虐待は、親や養育者が子どもの心身を危機にさらすような行為をすることで、大きく4種類あります。
自分の子育てや過去の経験、周りでこんなことが起こっていないかなど振り返ってみてもいいかもしれません。
(「これはしつけェ!」って言う人は怪しいな…)
①身体的虐待
身体的虐待は、身体に傷が残ったり、傷が残る可能性のある行為や、命に関わる加害行為を指します。
✓痣ができるほど殴る、蹴るなどの暴力
✓アイロンやタバコなどを押し付けて火傷させる
✓冬など寒い時期に家の外へ締め出す(罰)
✓風呂場など水に顔を沈めさせる など
(´;ω;`)
痣や火傷痕など被虐待児には目に見える外傷ができるため、周りから見ても虐待されていることが分かりやすい部類です…。
虐待する側は服で隠れて見えにくい箇所(胴体など)に加害しやすいため、少しでも様子がおかしい子がいたら、少し服の下を確認できてもいいかもしれません。
発覚件数として多いのは分かりやすいという理由もあります…。
遊戯王のマリクや鬼滅の栗花落カナヲは身体的虐待ひどく受けていますね…(マンガに虐待はありふれている)
②心理的虐待
心理的虐待は、暴言や脅し、拒否的な態度をとって児童の自尊心を傷つけたり、不安や抑うつ症状を引き起こす行為です。
身体的虐待よりもパッシブに見えるけど心心は大ダメージ…
✓大きな声で怒鳴り続ける
✓日常的な暴言(「死ね、生まれてこなければ~」など)
✓きょうだいで過度な差別(上の子ばかり構って自分は無視されるなど)
✓子どもがDVを目撃する など
心理的虐待の内容は、加害側に自覚のないパターンが多いのが特徴的です。
それがまた傷つく…!
マンガキャラ的には暗殺教室の潮田渚のお母さんとか
子どもの心を傷つける内容が多く、親のケンカやDVを日常的に見ることも心理的虐待に該当します。
身体は無事で、周りから見れば健康に育ってきているように見えても、子どもの自尊心がどんどん削れていく怖い部類ですね…。
いわゆる毒親の振る舞い
虐待など子ども時代に深く傷ついた経験のある人は、大人になってもトラウマ化した経験が癒えず、自己否定的になったり、人との距離感が極端になってうまくいかなかったりなど、心理的に不安定な大人(アダルトチルドレン)であることがある
もともとアダルトチルドレンは、アルコール依存症の親に育てられた人を指す言葉で、今では養育が不十分な家庭で育てられた人全般を指しています。
つらい大人だね…
③性的虐待
性的虐待は、児童にわいせつな行為をすること・させることを指します。
✓子どもに性行為をする、強要させる
✓子どもに性器を見せる、触らせる
✓子どもに性行為を見せる など
行為でなくても身体を撫でまわされることもあり…
キツイ
性的虐待は、子どもが幼い場合は理解できない可能性があります(だからやっていいという話ではありません!)。
物心ついた年齢でも恥ずかしさからSOSを出せなかったり、親からの暴力などで口止めされる場合があるため、発覚が難しい部類です。
親族など身内でしっかり注意しておく必要があります。
家族とはいえ、スキンシップとはいえ、不快なコミュニケーションには要注意!
ひぐらしのキャラは沙都子とか闇深いカナカナカナ…
④ネグレクト
ネグレクトは、衣食住や医療・教育環境など、児童の心身の健康に大切なことを長時間放置・無視することを指します。
✓食事を与えない
✓服を着せない
✓子どもを放って長時間外出する
✓子どもをいないものとして扱う、捨てる など
子どもに徹底して何もしないことが虐待に含まれます。
保護者が保護者としての責任を放棄している状態だね…
ちゃんとした子育てに人の愛情は必要なんやで
最近では子育ての知識が不足している親の不注意が原因で生じることも多々あります。
子育てや乳幼児の生態については、養育者はある程度勉強しておくことが望ましいですね。
児童虐待を見つけたらどうすればいいの?
虐待は心身の健康を脅かす危険があるため、早期発見・介入が重要です。
実は、虐待を受けたと思われる児童を発見した場合は、児童相談所に通告するべきという通告義務があります(by 児童虐待防止法)。
身内でも近所でも児童相談所にTELで通告できてしまいます。
そこそこ大きくなった被虐待児自ら通告する場合もあります…
通告されると被虐待児と思われる子に対する調査や、場合によっては一時保護という形で家族と離れて暮らすことになります。
なかなかに荒業ですが、子育てする人やその身内、教育関係者などは知っておく方がいい知識ですね。
できれば家族仲良く暮らしてほしいものです
おわりに:児童虐待に該当しないか注意しよう
虐待は、される側の心身が危険にさらされる行為で、児童虐待や家庭内暴力(DV)があります。
児童虐待には4種類あり、どれも被虐待児本人からのSOSは難しく、発覚も難しくなりがちです。
親側が虐待しないためにも子育てなど相談できる環境作りをしたり、被虐待児に変わって周りが目を光らせて注意してあげることが有効な予防になります。
友人や家族、市役所などの公的機関、医療機関など、どこも頼ることができない場合は、オンラインでのサービスを利用してみるのもありですね。
加害も被害も1人で抱えこまなくていいんですよ
まずは虐待に関する知識をきちんともって、子どもや人の心身を危険にさらさないように注意もしましょう。
また、虐待を発見したら児童相談所に通告する義務があります。
通告は子どもの心身を守る行為にもなるので、「こういう手段があるんだな」と知っておけるといいですね。
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