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【臨床心理学】不安障害の種類と特徴をざっくり解説

不安障害って何? 勉強ノート
この記事は約9分で読めます。

こんにちは、臨床心理士・公認心理師のしあんです。

「不安」というと、誰もが感じるもので大体はネガティブなイメージをもっているのではないでしょうか。

しあん
しあん

せやねー

不安にも良い意味はありますが、度を超した不安は日常生活に支障をきたしますし、不安障害という言葉もあります。

今回は、各不安障害の特徴をざっくり解説します。

心理系大学院や心理職を目指すなら、精神疾患の基本は試験でも現場でも必須なのでしっかり覚えましょう。

そうでない人にとっても、不安障害を知り、身近な不安がいきすぎるとどんな支障が出るか予防知識を得てみてください。

闇しあん
闇しあん

「知る」は大きな安心材料

「不安」がテーマの記事なので、読むことで余計に不安を煽られそうだと心配な人はブラウザバックor心して読み進めてください

しあん
しあん

「私不安障害だ!」って決めつけて読まないようにね

疾患系記事全般に言えますが、読んでも自分を障害と断定できないので、不安になったら医療機関に相談しましょう!

こんな人におすすめ!
・不安障害について勉強したい人
・不安を感じやすい人
・不安過ぎて汗かいたり動悸したりで困る人
・心理職や対人援助職を目指している人
※心理系大学院受験生は必須

不安(anxiety)は病気?

白い背景に、落ち込んでいる女性

不安障害という疾患はたしかにありますが、そもそも不安とは心配や怖い状況などで誰もが感じうる感覚です。

・人前に立つのが不安
・うまく発表できるか不安
・災害が起きないか不安 など

このような不安を感じることをおかしくありませんし、不安を感じながらなんだかんだ乗り切れたり、不安だからこそ対策して臨めたりもしますね。

特定の状況や場所で感じる不安を状態不安、性格的に不安に感じやすいものを特性不安という

しかし、不安を感じすぎて家から出られなくなったり人と関われなくなったりなど、明らかに日常生活に支障が出る場合、その不安は不安障害の可能性があります。

今回は以下の5点をざっくり解説します。

✓分離不安障害
✓選択性緘黙
✓限局性恐怖症
✓社交不安障害
✓パニック障害
✓全般性不安障害

分離不安障害(separation anxiety disorder)

分離不安障害は、家族など愛着をもっている人から離れることに過剰な不安を感じて、日常生活に支障が出る障害です。

分離不安障害

✓大切な人物から離れるのがとにかく苦痛
✓すぐに大切な人を失うかもしれない、死んじゃうかもなどの過剰な不安を感じる
✓離れるのが怖くて幼稚園や学校に行けない
✓1人で過ごすのがとにかく不安
✓お母さんやパートナーと離れて寝れない
✓離れることが怖くて悪夢ばかり見る
✓大切ない人から離れると頭痛や吐き気など身体症状が出る など

しあん
しあん

甘えではなくて不安が強すぎて離れられなくなるの

「迷子になっちゃう」「見捨てられないか不安」などはたから見れば大げさに思える不安が特徴的。

小さい子どもに多く見られますが、大人でもあります。

分離不安自体は乳幼児の正常な発達の1つで、3歳以降も分離不安が目立つと懸念されやすい障害です。

\ 愛着や分離不安の背景も復習 /

選択性緘黙(selective mutium)

選択性緘黙(場面緘黙)は、他の状況・場所では話せるにも関わらず、学校や職場など特定の状況・場所では話せない状態を指します。

しあん
しあん

どこでも話せないのは「全緘黙」

選択性緘黙

✓家では友だちとも喋るのに学校では話せない
✓話さなきゃいけない場面で話せない

選択性緘黙は問題なく話せる場所もあるので、意外と気づかれにくい特徴もあります。

強度の人見知りや、いじめ・虐待の嫌な体験など原因はさまざまで、「話が苦手な性格・気質」ではありません。

限局性恐怖症(specific phobia)

限局性恐怖症は、特定の物事に強い恐怖感や不安を感じる症状を指します。

しあん
しあん

高所、閉所、尖端恐怖症とかね

限局性恐怖症

✓特定のことに明らかな恐怖や不安を感じる(子どもならかんしゃくやまとわりつくなどの行動に表れることもある)
✓高所恐怖など、その状況や対象に対してほぼ毎回・すぐに恐怖や不安を感じる
✓恐怖の対象を積極的に避けるor恐怖を感じながら耐え忍ぶ

恐怖症のきっかけはトラウマチックな出来事だったり「よく分かんない」だったり曖昧なことが多いです。

本人にとってはとにかく怖くて仕方がないので、「高いところに行かない」「狭くて暗いところに行かない」などつい避けてしまいますが、意外と回避行動が恐怖感を強めていることも…。

しあん
しあん

死にそうなくらい怖くて回避する人も多いけど…

闇しあん
闇しあん

死ぬに結びつく考えの違和感に気づいて向き合うことも大事

支援者との充分な信頼のもと、行動療法のエクスポージャー(暴露法)が効果的と言われている

社交不安障害(SAD:Social Anxiety Disorder)

社交不安障害は、人から注目されることに強い不安や恐怖を感じたり、自分の振る舞いで否定的な評価をされることを恐れたりして、社交的な場面を避けたり苦痛を感じたりする症状を指します。

社交不安障害

✓人と話すのが怖い
✓人前で食事できない
✓恥をかかないか不安
✓否定されないか怖くて動けない
✓迷惑かけそうで動けない
✓見られたりネガティブに思われたりが嫌で人間関係を避ける

社交不安障害は不安や恐怖が募ると、泣いたり癇癪を起したり、発汗、吐き気など身体的に表現されることが多々。

発症は思春期頃からが多めです。

しあん
しあん

厄介な時期だよね

パニック障害(panic disorder)

パニック障害は、予想できないパニック発作が繰り返される症状を指します。

パニック発作は、突然不安や恐怖が高まって以下のような症状が現れ、大体は数分以内に収まっていくものです。

パニック障害

✓動悸や心拍数の増加
✓発汗
✓震え
✓息切れや息苦しさ
✓胸元や腹部の不快感、吐き気
✓めまい
✓悪寒や痺れ
✓現実感のなさ
✓どうにかなりそうな感覚、死にそうな恐怖

パニック発作は動悸などの身体症状~死んでしまいそうなくらいの恐怖体験まであり、次いつ発作が起こるかという予期不安も強まりやすい特徴があります。

また、次に解説する広場恐怖も併発する可能性が高いのも特徴。

広場恐怖(agoraphobia)

広場恐怖は、パニック発作のような症状が起きたときに、その場の恐怖から逃れられない・助けてもらえないと恐怖してしまい、そう感じる状況を避けることを指します。

✓電車やバスなど公共交通機関に乗れない
✓お店など囲まれている場所に行けない
✓ママ友などのグループに居続けられない
✓1人で家に居られない など

「社交不安障害(SAD)で社交的な関係・場所が怖くて避ける」など他の症状とは違うので注意。

しあん
しあん

広場が怖い訳じゃなくて閉鎖的な状況も対象

全般性不安障害(generalized anxiety disorder)

全般性不安障は仕事や学校生活など日常的な出来事・活動にとにかく過剰な不安を感じる症状を指します。

全般性不安障害

✓成績悪い訳でもないのに「今度のテストで成績落ちたらどうしよう」と不安になる
✓盗難ニュースを見て「ウチも泥棒入られないか心配」で家から出られなくなる
✓「職場の異性に声かけられたら…セクハラされたら…関係こじれたら…クビになったら…再就職できなかったらどうしよう」と泣いて仕事にならない

闇しあん
闇しあん

不安がちょっと過剰なんだよなぁ

さらに、不安の強さから以下のような症状も見られがち。

✓落ち着けない、気を張る
✓とにかく疲れやすい
✓集中力が続かない
✓怒りっぽくなる
✓身体がこわばる
✓眠れなくなる

しあん
しあん

不安過ぎて心身に支障が出ちゃうみたい

不安障害への対処

クエスチョンマーク

不安障害は薬を服用する薬物療法や、不安に慣れたり捉え方を変える(認知)行動療法が有効と言われています。

薬の場合、不安がメインなので抗不安薬もありますが、抗うつ薬のSSRI(選択的セロトニン再取込阻害薬)が提案されることも多いです。

しあん
しあん

薬物って言っても怪しくないよ!花粉症がその薬飲むようなものだよ!

\ 暴露療法とか復習 /

不安は基本的には対象がなく漠然としたもので、考えれば考えるほど増します。

不安で困っている人に共感したり話を聞いたりすることも大切ですが、不安な本人が変わっていくためには行動を起こすことも有効です。

✓散歩して気持ちを切り替える
✓趣味して気晴らしする
✓不安なことをとにかく聴いてもらう
✓不安克服のために腹をくくって向き合う

また、不安に感じていることともう少し向き合い、自分で何か対応できる不安なのか、自分にはどうしようもない不安なのか分けてみるのもあり。

▼例
・電車で動悸が起きないか不安で電車に乗れない
→好きな音楽を聴く、深呼吸するなど動悸を抑える対処をする
・クラス替えで馴染めるか不安
→自分でクラス替えはコントロールできないから、不安な気持ちを家族に話して吐き出す

しあん
しあん

不安は漠然としている方が怖いから、向き合えると良いね

不安に押しつぶされるようなら、話を聞いてくれる人に話してホッとする体験もしてみてください。

おわりに:不安は放置や回避より向き合って対処していこう

チェスの騎士の対決

人に、関係性に、出来事に、環境に、私たちはいろいろなことに些細でも反応して不安を覚えます。

不安を感じること自体はおかしくないし、本来は不安だから対策できるなどのメリットがあります。

不安を強く感じすぎると、何となくの不安に思考が囚われて、「対策しよう」よりも「逃げよう」と思いがちに。

ですが、不安過ぎて日常生活に支障が出てしまう不安障害になったら、不安を助長したり逃げたりするよりも向き合って対処する方が不安を軽減しやすいです。

今回解説した不安障害はこちら。

✓分離不安障害
✓選択性緘黙
✓限局性恐怖症
✓社交不安障害
✓パニック障害
✓全般性不安障害

まずは不安障害の存在を知り、「得体のしれない不安」から「知っている不安」に変えて不安や怖さを和らげましょう。

不安障害には薬物療法や不安と向き合わせる暴露療法など(認知)行動療法が効果的ですが、ただ荒療治的に「学校でも喋りなさい」「いいから離れなさい」などきつく言うのは傷つけるだけです…。

基本は、不安な気持ちを聴いて受け止めることが大切です。

「話すだけでラクになった」と感じる人もいるので、不安が強い人は安心できる人・場所へ吐き出してみてください。

不安なことをぐるぐる考え続けると余計に不安になりやすいので、人に話せない場合は紙に書き出すでも良いのでとにかく自分の外に感情を吐きましょう。

しあん
しあん

不安はなくせないから点数つけて下げていくのもいいね

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