こんにちは、臨床心理士・公認心理師のしあんです。
心理学というと「恋愛で使えるテクニック」を連想する人もいますね。
・いい印象 / 返事をもらいやすい立ち振る舞いをしたい！
・意中の相手のゲット率を高くしたい！
・恋愛心理学でイキりたい！ など
最後の悪意ないか？
今回は多くの人が聞いたことあると思われる『吊り橋効果』と、セットで使いやすい『暗闇効果』についてと注意点を解説します。
「ドキドキの錯覚を起こせばいいんでしょ？」と思っている人は一旦冷静になって記事をご覧ください。
効果を使うならちゃんと知っとこうね
自分はチョロいくせにウケる
・気になる人がいるけどアプローチに困る人
・『吊り橋効果』と『暗闇効果』をちゃんと知りたい人
・本当に効果あるのか疑問な人
・悪い男 / 女に引っかからないよう予防したい人
吊り橋効果とは
吊り橋効果は、緊張が高まった状態で傍にいる異性に対し、その緊張を異性の魅力と誤認識してしまう心理効果です。
感情の錯覚ね
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社会心理学者のD. ダットンとA. アロンが「感情（好きかも？）→認知（好き！）の順なら、間違った認知に誘導できるんじゃないか？」と考えて行ったのが吊り橋効果の実験です。
とんでもないこと考えたよね
▼実験内容
対象：18～35歳の独身男性
① 高さ70ｍの揺れる吊り橋
② 高さ70ｍの揺れない吊り橋
どちらも渡って橋の真ん中で女性とアンケートし「アンケート結果気になるなら後日電話くださいね」に対し、①は半数が電話、②は1～2割しか電話しなかった実験。
吊り橋効果では、危険なつり橋を渡る緊張感（生理的喚起）を、女性の魅力による興奮（認知的解釈）と勘違いしたと考えられます。
巷では「ドキドキを勘違いさせればいいんでしょ？」という考えが広まっていますが、2つの注意点を押さえておきましょう。
注意①男女差
吊り橋効果は男性に効果抜群ですが、女性には効きにくい結果もあります。
いつも言うけど必ずって話じゃないよ
メカニズムとしては、吊り橋効果の実験で男性はドーパミンやアドレナリンが分泌されて興奮状態になりましたが、女性の場合ノルアドレナリンが分泌されて身を引く感覚になりやすいとか。
また、男性への魅力と勘違いする以外に「この人に襲われるのでは？」という恐怖心にすり替わることも考えられます。
「（怖いところ・刺激的なところ）に行こうよ」って男性から声かけられても女性は警戒しそうですよね。
少なくともワイなら怖い
吊り橋効果知ってると「あ、狙ってる？」とか警戒もしたり
（面倒くさいうさぎだな…）
より吊り橋効果を期待するなら、女性が男性に仕掛けてみる方が確実かもしれません。
注意②外見
吊り橋効果には続きがあります。
▼続・吊り橋効果（by G. ホワイト）
声をかける女性を
①メイクした魅力的な人
②冴えないメイクをした人
に分けて追試
その結果、①メイクした魅力的な人の場合のみ男性は連絡したそうです。
吊り橋効果は美形なら効果発揮するってこと？
いや、緊張や興奮の誤解なら普通な容姿でも大丈夫なはず
魅力的な相手に対し好印象はもちやすいのはよくあることですね。
冴えない外見まで落としてしまうと難しいかもしれませんが、吊り橋効果は感情を誤解させられる効果なので、清潔感を出すなど身だしなみに気をつけられれば十分狙っていける効果です！
美形だけの効果ではないので安心して（？）ください。
周りから何も言われない容姿ならイケるさ！
ちなみに第一印象やちょっとした印象操作についてはこちらの記事もどうぞ。
＼ 少しでも良く見られ隊 ／
暗闇効果とは
暗闇効果は、人は暗い空間にいる方が本能的になり、性的欲求が高まる心理効果です。
もちろん暗がりが苦手な人もいますが、暗いことで不安以外にも緊張感が薄れたり、人との距離感が近くなる効果もあります。
悪用しやすそうな効果だね…
▼暗闇効果の実験（社会心理学者・K. J. ガーゲン）
対象：初対面の男女グループ
① 明るい部屋
② 暗い部屋
で、どんな交流が起きるか観察した実験。結果：
① 適度な距離間で自己紹介など当たり障りない交流
② 互いの距離感が近づき、自己紹介後に少し込み入った話やボディタッチも見られた
暗いことへの怖さや相手の表情が見えない不安から互いの距離が近づくんだとか。
また、暗いことで相手を観察する必要もなくこころがどこか緩んで込み入った話もしやすいとか。
パートナー同士がイチャイチャするのも、誰が決めた訳でもなく何故か昼より夜の方が多いですよね。
暗闇効果は人の深層心理に影響している効果なんです。
暗くする理由、考えたこともなかったなぁ
2つの心理効果を発揮させるために
「2つ組み合わせたらナンパ余裕なんじゃ？」は甘いです。
「夜に吊り橋渡ろうよ」なんて誘われてついていく人はまずいないでしょう。
変な人にはついていっちゃいけません！
多くの人は、相手から下心を感じたら警戒するはずです（警戒してください）。
もし、吊り橋効果と暗闇効果を掛け合わせて、気になる相手と接近してみるのであれば「好きかも？」と感情を誤解させるのが本質なので、効果を発揮する前の誘い出しもさりげなくまたは仕方なく状況を作るようにしましょう。
「だけど早めに解散するよ」などけん制しておけば釣りやすいですね（おい）。
誘われる側に「仕方ないよね」と思わせればOKかと。
筆者は情に訴えかけられました
チョロすぎ！
特に、吊り橋効果の緊張や興奮は他者と共有できる方が感情の誤認識は生じやすいです。
なので、遊園地の絶叫系やお化け屋敷、一緒にスポーツ観戦などのよく聞くデートは実際好ましいかと。
アスレチックや脱出ゲーム、宝探しなどイベント系を楽しむのもありですね！
ただし、映画はそれぞれの世界に入りやすいので吊り橋効果は生じにくいと思われます。
自然とボディタッチできそうな空間がよさげ
積極的やん
おわりに：吊り橋効果も暗闇効果も使うならさりげなく！
恋愛テクニックとしてよく知られる『吊り橋効果』と『暗闇効果』ですが、あくまで一時的な錯覚です。
きっかけづくりにはうってつけですが、その後の関係維持はまた別の話なので、心理テクを使ってモテようと思う人はある意味ずっと何かしらの心理テクを使っていかないとモテは維持できないかもしれません。
厳しいこと言うやん
個人的意見にはなりますが、心理効果はきっかけづくりで頼って、自分の存在を相手にアピールできたらきちんと相手と向き合って共通の好きを見つけたりできたらと思います。
恋は錯覚から始まっても真にしていけばいいのか
その努力は認める
自分の恋愛観を知って、似ているところを見つけていくのも面白そうですね。
万が一変な相手にハマってしまった人や自己防衛力を高めたい人は、こちらの記事にも目を通しておきましょう。
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