こんにちは、臨床心理士・公認心理師のしあんです。
上記2資格を取得しようと思うと大学院への進学が基本必要になります。
ですが、進学者の場合は資格試験を受験できるのは院卒後なので、社会人1年目は無資格時代も過ごします。
・修了後が不安
・院卒後どう過ごせばいいか分からない
・1年目に何ができるか情報収集したい
今回は、筆者の1年目の体験と振り返りを踏まえて院卒後の1年目におすすめできる振る舞いを紹介します。
心理職として働いていく際のスタンスの一例になれば幸いです。
こんな人におすすめ!
・心理系大学院卒でこれから1年目を迎える心理のたまご
・心理系大学院在籍中で今後の情報収集をしたい人
・心理士(仮)1年目で困っている人
・心理士1年目を終えて振り返りたい人
本記事は心理職のたまご向けですが、心理に興味のある人も暇つぶしにどうぞ。
心理系大学院修了後の1年目とは
冒頭でも言いましたが、心理系大学院修了直後は「資格取得見込み」の心理職になります。
受験資格に院卒があるから仕方ないのだ
ですが、職場や患者など社会で出会う人たちからすれば「カウンセラー」や「心理士」など専門家扱い。
ストレート進学者なら社会人経験がなくても年齢的に「社会人」として見られます。
新卒あるあるかな?
領域や職場にもよるとは思いますが、筆者は社会人としてのお作法や心理業務のフォローなど手厚く受けることはありませんでした(OJTナニソレ)。
以下、筆者や同期が心理職1年目のときに感じたことを挙げます。
①不安やプレッシャーを感じやすい
心理に限った話ではありませんが、心理系大学院修了直後は『無資格だけど専門家』として働きます。
・まだ有資格者じゃない。資格取れるかな?
・資格取得見込みでも患者の人生に深く関わるから責任もたなきゃ
・不安でも堂々としなきゃ など
1年目は、筆者も個人的には不安でいっぱいでした(白目)
でも、何事も1年目って不安やプレッシャーの感覚は味わうものです。
新卒だもの by しあを
開き直りというか本当に仕方ない
不安だからと抗おうとして空回りすることもあり得ますが、潰れない程度に不安な気持ちを受け止めてもいいと思います。
勉強してきても知っていても、できないことはできないし、分からないことはなんだかんだ分かりません。
「しっかりしなきゃ」と思う気持ちは大切ですが、1年目で心理のことも社会人的なことも分からない振る舞いは職場の人に聞いて学ぶのがおすすめです。
しったかぶりは非推奨
②やたらプライドや理想を持つ
これは1年目筆者も結構陥っていた気がする。
大学院でしっかり専門の勉強をして、教授からカウンセリングの基礎を丁寧に学んで現場の話を聞くと、心理士としてどこかプライドを持って働こうとする自分がいるかもしれません。
勿論、専門家としての責任を持つことは確かに大事なことですが、ただプライドが高くなるのは別です。
「こうあるべき」は持ち込まない方が無難
修了後にどう頑張っていきたいか理想像を持つこともきっと正常な反応ですが、専門家である以前にただの新卒です(ストレート進学者は特に)。
頑張ろうとする人に対して水を差すようなブログですが、どうか謙虚に、柔軟に職場適応できるといいなぁと願っています。
心理の1年目としてできること
院卒後の心理士(仮)として、筆者なりに思うことを書くので参考程度にご覧ください。
①挨拶をして職場や人に馴染む
②やれそうなことはやってみる
③郷に入っては郷に従え
正直毎日出勤できればエライ!!
①挨拶をして職場や人に馴染む
心理とか院卒とか関係なしにこれオブこれ。
そもそも挨拶はコミュニケーションの基本ですね。
「ちゃんとコミュニケーションとれますよ」ってアピールすれば自分が働きやすくなるし、職場や人に馴染めば分からないことも教わりやすくなります。
何より自分が職場に居やすくなると思います!
職場適応、最優先
どれだけ専門家として勉強してきてもコミュニケーションが取れないと…取り扱ってもらえないかもしれません。
まずは1人の新卒として自分を信用してもらいましょう。
心理士で在る前に社会人
②やれそうなことはやってみる
「心理だからカウンセリング!検査!」とかこじらせずにやれそうなことはやってみましょう。
筆者ァ!てめぇのことだァ!
心理士として就職しても、1年目の人ができることって多分たかが知れてる(と思う)…。
ぐっさぁ
変にプライド持たなくても、カウンセリングも検査も心理士であれば当たり前にやることになります。
「じゃあそれ以外にこの人何ができるの?」ってのが肝。
心理業務じゃなくてもやれそうなことはやってみて、「この人いるとなんか和むなぁ」「役立つなぁ」って思ってもらえると結果としてやれることが増えていくので、まずは仕事を探しましょう。
セルフセールスも大事
③郷に入っては郷に従え(ある程度)
実は(?)、大学院でやってきたことと現場では違うことが結構あります(筆者だけ?)。
・カウンセリングは50分枠→現場では30分枠
・記録は時間の限り書いていた→10分でまとめる など
「30分枠を月1回で話深められるの?!」とか1年目筆者は思っていました…(できるの?じゃなくてやれ…!)。
院で体験してきたことは自分の臨床のベースとして持ち、職場のルールに合わせて柔軟に対応することも大切です。
心理士としても社会人としても謙虚に
②やれそうなことはやってみるに関連しますが、たとえばクリニックでは心理士兼受付業務を頼まれることがあります。
職場的には受付もできる心理士は有り難く思われますが、受付でもクライエントと関わることでカウンセリングの非日常感が薄れる可能性もあります。
「これは譲れない!」ってことが明確にあるならそれは大事にしましょう。
職場に適応しつつ、自分が専門家として持つ軸はしっかり持っていていいと思います。
筆者が1年目にやったこと
筆者は院卒後1年目はクリニック勤務をしていましたが、その中でやったことを紹介します。
これが正解!という訳でないので、あくまで1年目や仕事に慣れていない心理のたまごの参考になれば幸いです。
\ 雑談ばかりの体験談 /
主な業務
心理士として入職したのでカウンセリングは基本たくさん受け持ちました。
1年目からこの病理専門、この年代がいいとか選り好みするより、個人的には幅広くチャレンジできたらいいなと思います。
筆者も、子ども~お年寄りまで、神経症圏~境界例まで(クリニックレベルのため精神病圏の関わりはほぼなし)カウンセリングで関わりました。
筆者的には筆談対応も受けたり、インテークもやったりしました。
心理検査のテスターは希望者のみだったのでやりたがりました。
1年目なら資格試験の勉強にもなるしテスターオヌヌメ!
▼よく実施or解析した検査
・WAIS / WISC
・バウムテスト
・AQ
・PARS-TR
・STRAW-R
▼稀に実施した検査
・ロールシャッハテスト
・SCT
・P-Fスタディ
・MMPI など
(大学院ではWAISをやってもWISCは座学のみで触ったことなかったので)めちゃくちゃ緊張しました。
でも職場の先輩捕まえてよく聞いてやってました。
先輩的にはただの迷惑…?
検査は数こなすのが大事!
職員全員にやたら話しかけた
これは完全に個人的な意見ですが、新しいコミュニティではまず認知してもらうことが(自分のために)最重要任務だと思うので、職員全員に話しかけました。
職場の規模にも勿論よりけり
心理士は勿論、医師、受付さん、看護師さんなど多職種、デイケアなど他部署にも。
専門的な話とかできなくてもいいんです(多分)、雑談できればおけ!
最早職場に雑談しに行ってた
受付さんの補助の補助
筆者はカウンセリングと受付での出会いを別にしたいと思ったので受付業務には参入できていませんでしたが、受付さんの邪魔にならない程度に雑用は進んで志願しました。
・カルテ探しを手伝う
・ハンコを押すのを手伝う
・シュレッダー作業を代わりにやる など
レセとか詳しい作業はできなかったので「じゃあこれいいかな?」って言われることを空き時間でやらせてもらいました。
本当にただの雑用
診察の陪席
診察の陪席は業務ではなくて自己研鑽に過ぎないと思いますが、医師に頼んで、患者さんからも許可をもらって陪席させてもらったこともあります。
医師がどう診るか、自分なりにどう見立てるかを考えるいい機会にはなったと思うので、許可が得られるなら交渉してみても良いと思います。
全相談室の掃除
自分が常勤で、非常勤が多い職場でもあったので、なるべく全相談室を簡易的に掃除していました(細かな掃除は非常勤にもやってもらっていましたが)。
別にありがとうとも止めてとも言われることはありませんでしたが、先輩のお手伝い感覚でやっていました。
きっとこういうちょっとしたことは誰かが助かるはず(きっと)…。
自己満乙~
書類系の作成補助
空き時間で、自立支援や障害者手帳、障害年金などの福祉サービスの申請書類の作成補助もやっていました。
※心理の仕事ではない
心理の業務ではないけど…サービスを知る意味ではものすごくためになりました。
・福祉サービスの話が少し分かるようになる
・ICDの病名とコードがなんとなく覚えられる
・薬の名前も少し覚えられる
・書類の更新や申請はじめの時期、一部サービスを少し覚えられる など
多分心理が進んでやる業務ではありませんが、見かける機会があれば見ておくと医療現場で働くなら役立ちます。
おわりに:能動的に動けば資格試験対策も職場適応も可能!
新卒の状態なら誰もが不安を感じるし、大学院で勉強したばかりだからこそ頭が固くなる部分もあります。
それらは決して悪いことではありません。
ただ、不安や凝り固まった考えで職場に馴染めなかったり力を発揮できなかったりするのはもったいないです…。
「1年目だから」こそ、自分から動いてチャレンジしたり、教わったりする良い機会にもなるので、1年目は謙虚に雑談していろいろ吸収出来たらいいなぁと思います。
雑談推しうさぎ
現場でのカウンセリングも、心理検査の実施・解析も、SVでの相談も、経験は全て臨床心理士・公認心理師の資格対策になります!
あまり不安になりすぎず、日々の臨床と向き合って、資格合格を目指しましょう。
早起きがんばろーぜ!
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