こんにちは、臨床心理士・公認心理師のしあんです。
人間関係において第一印象はうまくいっても、その後がうまくいかないなんて経験ありませんか。
✓最初うまくいっても友人・恋愛関係が続かない
✓「思っていたのと違った」と言われやすい など
人は見せ方次第で良くも悪くも印象が変わりやすく、一度悪い印象を持ってしまうと挽回は難しいですね…。
今回は、好印象を続けるための印象操作の心理学について解説していきます。
自分を良く見せるちょっとした工夫を知れるので、第一印象をクリアしてもその後の関係がうまくいかない人は是非ご覧ください。
第一印象関連はこちら参照
・人から良く見られたい
・人に「こう見せたい」自分像がある
・新しい出会いを成功させたい
・対人コミュニケーションが苦手
・人と関わることが多い人
印象操作の前に注意
自分の印象を良く見せるにあたって、いくら人に良く思われたいからといって、嘘(に近い印象)を伝えるのは止めましょう。
過去記事でも言ってるけど印象操作は誠実さが基本!
「自分は根っからのインドア派だけど、好きな人がアウトドア派だからアウトドア派を演じた」など、明らかに自分のキャラとは違う印象操作を続けてしまうと「思っていたのと違った」という展開は起きやすいです。
✓相手の価値観に合わせすぎる(自分は好きじゃないものを好きと言うなど)
✓人の受け売りばかりで会話する など
印象が崩れるのは時間の問題…
演じて作ったキャラは続かんからやめとけ
また、嘘(に近い印象)がバレて実際と違うとわかったときには、人間関係にまずヒビが入ります。
人間関係や信頼など、人との関わりは一度ヒビが入ると修復が難しいのは誰もが分かっていると思います。
復縁だって難しいよね
はじめから誇張しすぎたり、嘘はつかずに、基本的には正直な態度で人と関わるようにしましょう。
好印象を続けるための2つの心理
第一印象はもちろん大事ですが、2度目の関わりから早速印象が悪ければ、人間関係は考え直されがちです。
また、第一印象を張り切りすぎると、もれなく2度目からのハードルはかなり上がりますね。
良い印象操作をするにあたって多くの工夫をする必要はありません。
「これならいいかな?」と自分がやりやすそうな工夫をまずは1つ見つけて実践してみましょう。
当ブログの印象操作①で解説したのは5つの心理。
・アッシュの印象形成
・掲示順序効果(初頭効果)
・ウィンザー効果
・ミラーリング(ミラー効果)
今回はさらに2つ解説します。
最強の処世術は笑顔!
①ハロー効果
ハロー効果は、人や物などの対象を評価するときに、1つの特徴に引きずられて対象全体の評価が歪んでしまうことです。
「身長180cmオーバーは無条件にカッコいい!」とか認知の歪み(バイアス)の一種だね
1つの目立った良い特徴に引きずられて良く捉えるのはポジティブ・ハロー効果。
反対に、1つの嫌な特徴に引きずられて悪く捉えるのはネガティブ・ハロー効果と言います。
名称は覚えなくて良し。現象を知ろう
・見た目を整える
・言葉遣いを丁寧にする
・思いっきり笑う など
基本的に、どんな些細なことでも1つを磨けば好印象を与えることができる効果なので、少しでも良いと思える一面はしっかりアピールしてみましょう!
少しも良いところないって言う人は、自分の中でマシだと思うことを1つひねり出してみてね
それでも何もないって言うならワイに言ってみ!
身だしなみについては人と会う前にさっと確認できると良いですね。
\ 鏡はあると便利 /
ハロー効果は良い面だけでなく、ネガティブ要素も含んだ諸刃の剣でもあるので、自分のあまり良くない一面を知り、注意する工夫も大切ですね。
・クチャラー(口閉じずに咀嚼)
・店員に態度が悪い
・過去の~歴 など
「○○な人は無理!」と偏見を持つ人も多いので、世間受けが怪しい要素は引っ込める方が無難ですね…。
そんな偏見持つ人は願い下げって考え方もあり
(刺々しいなぁ…)
自分の良い・良くない一面に気づくことは難しいかもしれませんが、人と話すと自分について振り返ったり、指摘から気づきやすくなるのでおすすめです。
③摂取理論(免疫理論)
摂取理論(免疫理論)は、はじめに弱めの反論や欠点を示し、それに打ち克つことでその後の反論や欠点に耐性がつくという心理を指します。
あらかじめ弱めの菌を体内に入れておくことで、今後その病気への耐性を作る予防接種のイメージだよ
対人関係の早い段階で自分のマイナス部分を伝えておくことで、ある程度相手に心の準備をさせ、後の「思ってたのと違った…」というのを避ける工夫です。
・事前に「実は緊張するとまばたきが増えちゃうんです」と伝えておく
・前もって「仲の良い異性の友だちがいる(けど恋愛感情は一切ない)」と恋人に伝えておく など
仕方ないよねって思ってもらうやつね
「自分の良くないところは言わない方がいいんじゃないの?」という考えもあると思います。
初対面からマイナス要素の提示をする必要はないかもしれませんが、人間関係が続くとなると良い印象だけで関わることは難しいです。
ずっと良い面だけ操作しようとするからかえって印象悪くなるんやぞ
八方美人「ヴッッ」
次第に良くない一面も見えていき、最初とのギャップが大きければ「思ってたのと違う…」になりますね。
初対面などで好印象を操作したいなら掲示順序効果(初頭効果)で、先に印象づけたいことを伝えることをおすすめします。
摂取理論(免疫理論)は少し関係ができてきたタイミングで、弱めのマイナス要素をけん制しておけると、今後の人間関係を円滑にしやすくなると思います。
相手が「仕方ないよね」とか「それ言ってくれるんだね、誠実」と思えるような弱めなマイナス要素をさらっと言おう
・「実はめっちゃ借金あるけどよろしく!」など重たいことを事前にさらっと言われても、好印象の欠片もない… など
ヘビーな話は時間作って真剣に話してね!
良い印象の人の良くない一面を知るのは知る側にとってショックでもあるからこそ、事前に伝えてショックを和らげておきましょう。
良くない?面は誰にでもあるので、隠すではなくてタイミングを見計らって伝えるが好印象へのカギです。
言い方ももちろん大事
また、摂取理論(免疫理論)は他人からの説得に強くなる(耐性がつく)という心理なので、人を説得したり営業やプレゼンなどでも使える効果です。
弱めなマイナス要素とはいえ列挙しすぎると屁理屈に聞こえてしまう可能性もあるので、1度に1点など小分けに提示していきましょう。
おわりに:少しずつ良くない面も見せていくことがカギ!
「人から良く見られたい!」という思いが強すぎて、良い印象操作ばかりしようとしても、人間関係が続くほどにほころびが生じやすいです。
演じたり、隠したり、嘘をついたことはいずれあなたへの違和感として現れます。
印象操作の基本はあくまで誠実であること、これは忘れず覚えておきましょう。
▼本記事で紹介した効果
①ハロー効果…1つの特徴で良いも悪いも印象づいてしまう
②摂取理論(免疫理論)…良くない面は少し関係ができたら小出しでけん制しておくと、良く捉えてもらいやすい
良く見せるためには、良い面は押して、良くない面は小出しに正直に
日常で多くの人ができていることだと思いますが、タイミングも考えて刷り込んでいきましょうね!
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