【心理学】知能とは?知能の構造4つをざっくり紹介 | サイコロブログ
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【心理学】知能とは?知能の構造4つをざっくり紹介

知能の構造のアイキャッチ 勉強ノート
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こんにちは、臨床心理士・公認心理師のしあんです。

「知能」というと、ネット上での診断、人工知能、心理学の勉強で…などよく見聞きする単語ですが…、どんなものか説明できますか。

「頭の良さ?」
「勉強ができるってこと?」
「頭悪くても賢く生きられること?」…

しあん
しあん

簡単なようで意外と説明がムズイ

今回は、心理学で代表的な知能の構造を4つほど、ざっくり解説します。

心理系大学院を目指す人は、それぞれの知能構造を知り、それぞれの用語を覚えるようにしましょう。

また、もしも「知能=頭の良さ」と捉えている人は、知能といってもいろんな考えが組み合わさっていると知られれば幸いです。

こんな人におすすめ!
・知能の考え方がよく分からない人
・知能=1つの力と思っている人
・心理学を勉強している人
・専門用語を見直したい人
※心理系大学院受験生は必須

知能とは

黒板に書かれた電球マーク付きの人

知能(intellect)とは、思考力や知識、学習する力など人の総合的な能力を指しうる言葉ですが、実は明確な定義はありません。

しあん
しあん

研究者の数だけ考え方はあるかも

ただ勉強ができる、頭が良いという意味ではなく、いろいろな要素が組み合わさっているとは考えられています。

ここでは、代表的な知能の構造をざっくり解説します。

闇しあん
闇しあん

覚えるのは用語くらいでOK

C.E.スピアマンの2因子説

C.E.スピアマンは、小学生の成績を分析し、知能は一般因子特殊因子の2つからなる2因子説を提唱しました。

✓一般因子(g因子)
…あらゆる知的な活動に影響する因子
✓特殊因子(s因子)
…個別の知的な活動に影響する因子

一般因子と特殊因子のイメージ
イメージ

たとえば、一般因子が高め・低めなら、5教科の成績が全体的にそこそこ良い・悪いように反映され、各科目の得手不得手は特殊因子が影響しているイメージ。

しあん
しあん

スピアマンは知能=学力的に見たのかな

L.Lサーストンの多因子説

L.L.サーストンは、C.E.スピアマンの一般因子の考えに批判し、知能は7つの因子からなる多因子説を提唱しました。

しあん
しあん

サーストン「一般因子万能すぎん?もっとあるだろ!深堀~!」

▼多因子(覚えなくていいはず)
・言語理解
・語の流暢性
・空間
・記憶
・数
・機能的推理
・知覚
※参考書によって言葉は若干違うかも

サーストンの多因子説のイメージ
イメージ②

L.L.サーストンによると、これらの因子は独立していて、たとえば「言葉に関する能力が低くても、空間把握の能力は高い」などがあると考えられます。

しあん
しあん

特殊因子を具体化した感じかな

J.P.ギルフォードの立体モデル

J.P.ギルフォードは、知能=情報処理機能をもつという点に注目し、120通りの知能因子がある立体モデル(知能構造)を提唱しました。

※ふーんでおK(覚えなくていいかと)
✓情報の内容×4(図形的・記号的・意味的・行動的)
✓情報の操作×5(認知・記憶・拡散的思考・収束的思考・評価)
✓情報処理の結果(所産)×6(単位・類・関係・体系・変換・含み)

ギルフォードの立体モデル
イメージ③
しあん
しあん

知能因子一気に増えた!

J.P.ギルフォードが作成した性格検査を矢田部達郎が日本語版に再構成したのがYG(矢田部‐ギルフォード)性格検査。YG性格検査も120項目アリ

特に「操作」の因子で、拡散的思考(divergent thinking)収束的思考(convergent thinking)は重視されているので、院試組は用語だけでも覚えておきましょう。

✓拡散的思考
…考えを広げてアイディアを生み出していくこと
✓収束的思考
…考えを論理的にまとめて1つの結論に達すること

R.B.キャッテルの流動性知能・結晶性知能

R.B.キャッテルは知能をさらに因子分析し、経験や学習の影響を受けて形成される結晶性知能(crystalized intelligence)と、新たな環境に適応する際に必要な流動性知能(fluid intelligence)を見出しました。

結晶性知能と流動性知能の説明

結晶性知能は、学習して得た一般的な知識や理解力を指し、加齢の影響は受けにくく、維持されやすい特徴があります。

流動性知能は、思考力や推理力、計算など主に非言語的な問題解決能力を指し、結晶性知能に比べ加齢によって衰えやすい特徴があります。

結晶性知能流動性知能
内容主に言語性主に非言語性
加齢の影響△(維持されやすい)〇(ピークから衰えやすい)
特徴のまとめ

流動性・結晶性知能は、院試や資格試験でもちょくちょく見かけるので特に押さえておきましょう◎

おわりに:知能は問題解決に必要な力の総称

電源をつける人

知能とは、端的に頭の良さを示すのではなく、思考力や知識など問題解決に関わる全般的な能力を指しており、研究者によって定義はまちまちです。

本記事では、心理学で代表的な知能構造の考え方をとりあえず4つ紹介しました。

闇しあん
闇しあん

試験頻出ってわけじゃなさそうだけど目は通すべし

知能は決して一言では言い表せず、いろいろな因子が絡んでいることを覚えておけると、人を見る目が少し多面的になれるかと思います。

しあん
しあん

知能検査概要偏に続きます!(次回更新!)

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